ガザ侵攻(最新版)について

 ガザでパレスチナイスラエルが衝突する。そして、アメリカがイスラエルを擁護する。これを何十年繰り返しているのか、これが何度目なのか、正確にわかる人は専門家だけだろう。
 フツーの人は「またか」ってことになる。たまたま「2022年のギャラップの調査では、民主党支持者の調査で歴史上はじめてパレスチナ支持者がイスラエル支持者を上回った」と書いたばかりだったが、今回の紛争についてどんな反応なのか知りたい。
 イスラエルが彼の地に建国したについては、もちろんそれに先立つホロコーストの記憶があった。だから、ユダヤ人がユダヤ人の国を作るについて好意的な反応が多かったについては理解できる。
 ただ、よくよく考えると、シオニズムって少しおかしくないだろうか。そもそもホロコーストがなぜ起こったのかといえば、ナチスユダヤ人をドイツから追い払おうとしたのがそのきっかけで、最初は、ユダヤ人を殺すまでは考えていなかった。だからこそポーランドが現場になった。
 うろ覚えなので、詳しく知りたい方は

を読まれることをお勧めしたいが、ドイツのソ連侵攻の裏設定には、そもそもユダヤ人の多いロシア内にユダヤ人を強制移住させる目的があったらしい。それがうまくいかず(そりゃそうだろ)、持て余したポーランドで虐殺となった。
 このユダヤ人移住計画には、南米とかアフリカとか絵空事のような計画もあったようで、一部のユダヤ人もこれに希望をかけていたらしい。
 つまり、シオニズムは、こうしたユダヤ人排除の思想と根底で繋がっている。ナチスの犯罪に対してとるべき正しい態度は原状回復であるはずだった。ドイツで奪われたものを取り返すのが正義の回復の正しい態度だったはずではないだろうか。
 それがなぜパレスチナの土地を奪うってことになったのか。シオニズムのこの矛盾は、ホロコーストの酷すぎる記憶のために、キリスト教社会が目をつぶってきたことだった。
 シオニズムはナチズムの派生の一部でであるように私には思える。結局、キリスト教社会は、形を変えてユダヤ人追放に動いたってこと。ホロコーストナチスの責任になすりつけているが、ナチス以前から、キリスト教社会がユダヤ人を差別してきたことは疑いもなく、ナチス以後もそれは変わらなかったってことで、そしてユダヤ人の側もそれが変わることを期待していない。
 そういう見方をすれば、シオニズムはナチズムの受容なのである。イスラエルにおけるパレスチナに対する差別は、それを裏付けている。
 おそらくあまり知られていないかもしれないが、ユダヤ人がイスラエルを「約束の地」と呼ぶ根拠について、以下の本が参考になる。

聖書にこうある。

 神はイスラエル人にこう言った。「あなたの神、主が嗣業として与えられる諸国の民に属する町々で息のある者は、一人も生かしておいてはならない。ヘト人、アモリ人、カナン人、ベリジ人、ヒビ人、エブス人は、あなたの神、主が命じられたように必ず滅ぼしつくさねばならない」(申命記20章16節〜17節)
 聖書によれば、「イスラエルの神、主が命じられたように」(ヨシュア記10章28〜42節)ユダヤ軍が、リブナ、ラキシュ、エグロン、ヘブロン、デビルの町々、山地、ネゲブ、低地、傾斜地を含む全域の「息のあるものをことごとく滅ぼしつくした」あとでやっと

彼らの神は、ユダヤ人がその地に入ることを許した。
 これがユダヤ人が言う、イスラエルが「約束の地」である根拠。
 イスラエルに古くからユダヤ人が住んでいたってなんとなく思ってませんか?。そうじゃなくて、神がそこに住んでるやつを殺せっつったから殺したって話。だから俺の土地だって話を国際社会が容認しているのはおかしくないですか?。これは、キリスト教徒とユダヤ教徒の間で取り交わされた黙契にすぎない。ナチズムがユダヤ人を抹殺しようとして失敗したので、今度はキリスト教徒とユダヤ人共同でパレスチナ人を抹殺しようとしているにすぎない。
 そもそもキリスト教徒がアメリカに移住してきた経緯がイスラエル建国と重なっている。その時、原住民たちはどうなったかを思い出せば、アメリカ人がイスラエルを支持する意味もわかってくるはずだと思う。