キース・ヘリングに比べれば、バンクシーなんて何なの?。
色々目を瞑ったとしても絵が下手すぎるだろ?。顔出さねえしよ。
キース・ヘリングに比べれば、バスキアですら見劣りするでしょ。
森アーツセンターギャラリーでキース・ヘリング展がやってるの気がついて観に行った。去年の12月初旬からやってたのね。Tシャツとかいいのは売り切れてた。
私は、ユニクロでミッキーマウスのやつは買ってますけどね。でも、正直いちばん欲しかったのは非売品のポップショップ東京のスタッフジャンパー。中村キース・ヘリング美術館の所蔵品だそうです。
キース・ヘリングが生きてたらなぁと強く思います。
80年代のニューヨークは、みんな忘れてるだろうけど、観光客が迂闊に足を踏み入れられる場所じゃなかった。
キース・ヘリングが描かなくても地下鉄には落書きが溢れてた。そして犯罪も。
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だから、アーティストが地下鉄に落書きすることに意味があった。命懸けって言っても嘘じゃなかった。
キース・ヘリングは、
「1980年、人々の日常の一部として見てもらえるようにニューヨークの地下鉄駅構内の空いた広告板に貼られた黒い紙にチョークで描く「サブウェイ・ドローイング」を開始。コミカルでシンプルに描かれたイメージは人々を刺激し、瞬く間にニューヨーカーを魅了。しかし、有名になるにつれてドローイングは剥がされ、売買されるようになったため、1985年にこのプロジェクトは中止されました。」
だそうです。
一点一点の完成度も高い。
ポップアートを受け継いでいるのはもちろんのこと、彼の場合は80年代のNYのリアルが反映している。
アンディー・ウォーホルや草間彌生、オノ・ヨーコは、80年代には金持ちになり過ぎている。ちなみに、ジョン・レノンは1979年に死んでる。
ベトナム戦争で荒廃していくNYが切実だったのはやっぱりキース・ヘリングの世代だったと思います。
ベトナム戦争の荒廃というと、もちろん、兵士として戦っていた若者たちの精神的な苦痛もそうなのだけれど、80年代のNYに与えたベトナム戦争の影響は、むしろ、その背後にあった物流革命が帰結したものが大きかった。
に詳しいのだけれど、NYの沖仲仕たちから仕事を奪ったコンテナ革命が、ベトナム戦争でアジアに広がった。というより日本を潤わした。
ベトナムに大量に物資を送ったコンテナ船がその帰り船に日本の商品を積んでNYに帰ったからだ。
「ジャパン・アズ・NO.1」という神話を日本人が信じたいのは無理もないが、日本製品の品質が一定以上であったのは大前提としても、一方で、この物流コストの激減ってことがなければ、日本製品がアメリカを席巻するまでは行かなかったのだろう。
それまでにすでに組合の政治力で何とか命脈を保っていた港湾労働者たちは、これで完全に息の根を絶たれた。職を失った男たちがNYの街に大量に放たれた。
ベトナム戦争の荒廃とは、ベトナムで戦争に負けただけでなく、その上、その裏で進行していた物流システムの激変で、日本に経済侵攻されていたってことなのであった。
もちろん、そんな大きな構造は当時誰も理解していない。ただ、荒廃していく目の前の現実だけがあった。そして、それをいちばん間近で見ていたのは、やっぱり若者たちだった。
「本作は、社会の無関心に対して警鐘を鳴らすために制作されました。
タイトルはエイズ予防啓発運動団体 ACT UP (AIDS Coalition to Unleash Power)が制作したポスターのキャッチコピーから転用されたもの。
ピンクの三角形は、ナチスの強制収容所で同性愛者の男性につけられたピンクの逆三角形のマークがもとになっており、これを同性愛差別に対する抵抗として上向きの三角形に図案化したものです。
ヘリングはこの図案を作品に取り入れることでLGBTQ+コミュニティを祝福するとともに、偏見により命を落とした人々への追悼を示しました。
当時の「悪を見ず、悪を語らず、悪を聞かない」のレーガン政権に対して、この三角形は「エイズ」の可視化を訴えています。」
だそうです。
この
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なんて、すべてのアンフォルメル作品の中でも傑出していると思う。
こういう立体作品も後の作家に影響を与えていると思える。
美術史的にも、時代を知るためにも、見応えのある展覧会だと思う。
キース・ヘリングの映画がついこないだまでAmazonで見れたのだけど、今は見られなくなってる。
https://www.amazon.co.jp/キース・ヘリング~ストリート・アート・ボーイ~-字幕版-キース・ヘリング/dp/B09FFWNBYD
エイズ問題に関しては、やはり『ダラス・バイヤーズクラブ』がわかりやすい。レーガン政権が、故意に対策を遅らせた。