『サン・セバスチャンへようこそ』

 『レイニー・デイ・イン・ニューヨーク』がクランクアップしたのは2017年だった。日本では2020年に公開されたが、本国アメリカではいまだに公開されていない。

 それは、ローナン・ファローの言いがかり、それも、#metooに絡めた言いがかりだったので、さもウディ・アレンがabuseを働いていたかのような空気になって、『レイニー・デイ・イン・ニューヨーク』で主役を務めたティモシー・シャラメなどは、この映画のギャラを全額寄付したりした。彼は『DUNE』でアカデミー賞を獲れそでそうせざる得なかったそうだ。

 そのころから言いがかりだという意見も多かった。というのは当該の件は、とっくに裁判で結審している。裁判が絶対でないのはいうまでもないが、新事実が発見されたならともかく、そうではなく、ローナン・ファローが古い裁判を蒸し返したに過ぎなかった。

 それだけのことで、ウディ・アレンのような著名な映画監督が6、7年も映画を撮れなくなってしまう。この事態は、#metooのムーヴメントの信頼を大いに損ねた。

 ハーヴェイ・ワインスタインの大事件の濁流がうずまいているときに、じゃあついでにこれもと、古い裁判の被告を原告の息子がその濁流に突き落とした。

 #metoo運動は超法規的な運動なのか?。法を超えて人を断罪できる権利をいつ獲得したのか?。この時点で#metoo運動は、事実を無視してムードで人を断罪する人民裁判に変容してしまった。

 ともかく、ウディ・アレンの映画に再会できてよかった。

 今回の作品ももし#metooがなければ、俳優としてのウディ・アレンも見られたのではないかと残念に思った。俳優としても是非復帰してもらいたい。『ローマでアモーレ』以来かな。

 次回作『coup de chance』も楽しみ。

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