2022-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『私は最悪』

この映画は 私は最悪ここから始まる。大学に入って辞めて、みたいなところから始めないのはさすがだと思った。 パートナーの新刊披露パーティーで所在なげにしているこの女性が主人公なのであって、この女性のクロニクルではない。幾多の名作と同じく、いき…

『荒野に希望の灯をともす』

中村哲医師のドキュメンタリー映画、劇場版『荒野に希望の灯をともす』が、あつぎのえいがかんkikiにて9月2日まで上映中なので、見逃した方は是非ご覧になってください。 「強い」という言葉の意味を突き詰めていくと中村哲医師のような生き方に辿り着くよう…

『日本は「右傾化」したのか』

日本は「右傾化」したのか慶應義塾大学出版会Amazon こないだの小熊英二の日本記者クラブでの分析があまりに鋭かったので、これを買って読んでみた。 日本人一般が右傾化したといえるデータはほとんどないそうだ。ただ、自民党は右傾化したと言って間違いな…

『FLEE』

『FLEE』は、デンマークのアニメ映画でしかもドキュメンタリーである。 この映画がドキュメンタリーをアニメで撮った理由は、主人公であるアフガニスタン難民の男性の顔を晒さないためなので、本人が特定されないシーンなどは実写が混じることもある。こうい…

旧・統一教会と旧・挺対協

道徳の系譜学 (光文社古典新訳文庫)作者:ニーチェ光文社Amazon 『反キリスト者』から『道徳の系譜学』へと遡ってみた。ニーチェはそもそも牧師の家に生まれ、最初に進んだ道は神学であった。 文章中、現代のコンプライアンス感覚からすると、引っかかるとこ…

小熊英二の完璧な分析

ほぼ絶望的なくらい完璧な分析。必見。2年前のインタビューだそうです。www.youtube.com日本社会のしくみ 雇用・教育・福祉の歴史社会学 (講談社現代新書)作者:小熊 英二講談社Amazon

『長崎の郵便配達』

『長崎の郵便配達』は、同じく第二次世界大戦を扱ったドキュメンタリーでも、昨日の『ファイナル・アカウント』とはかなり違う。元英空軍パイロットと長崎の被爆者の交流が軸になっているために、憎しみの感情が入りこんでいない。 もちろん、チャーチルは米…

『ファイナル・アカウント』 ネタバレあり〼

これは2020年のドキュメンタリーであり、つまりもうホロコーストの当事者たち、それは、被害者、加害者ともに、その当事者であった人たちの直の証言を得るのは難しい時代になりつつある。 今回のこの映画でインタビューを受けている人たちは、ヒトラーユーゲ…

政権がカルトに汚染されないためには

この統一教会問題がいつごろ飽きられるのかわからないが、この問題が解決されず有耶無耶な状態で放置されるのであれば、改憲の可能性はかなり低くなったと言えるだろう。というのは、統一教会との関係が「何が問題かわからない」政党に憲法をいじってもらい…