燕子花図、藤花図、ヴィム・ヴェンダース

今朝の青空には、ネットで映画館の予約を入れたのが悔やまれた。昨日の寒々しさが嘘のよう。館林につつじを見にいけばよかった。ちょうど朝のニュースで中継していて、今が見ごろのようだ。館林のつつじは去年からずっと見に行きたいと思っている。
まずは表参道の根津美術館へ。改修工事のために3年半休館するらしい。光琳の燕子花図、応挙の藤花図、いずれか一点だけでも見に行く値打ちがある。応挙や光琳を見ていると意匠がこらされているのがよくわかる。幹や枝は墨だけで一筆書きのように描かれているのに、藤の花は先端の小さなものまで実に細密に描かれている。写生とか言っているが、見たまま描いていたらこうはならない。
表参道に来たついでに表参道ヒルズにヴィム・ヴェンダーズの写真展を見に行く。ところが、ここは根津美術館の静けさとうってかわったにぎわわしさ。しかも11:05開館とのことで長い列ができている。辟易したけれど、列が吸い込まれおわるのを待って中に入った。心配しなくてもヴィム・ヴェンダースの写真展に人が群がるわけもない。正確には『ヴィム&ドナータ ヴェンダース写真展 尾道への旅』。尾道は映画『東京物語』ゆかりの土地。小津安二郎に私淑するヴィム・ヴェンダース尾道を写した展覧会である。ドナータの写真は小さなモノクロ、ヴィムのものは大きく引き伸ばされたカラー。日本への思い入れはやはりヴィムのほうが強いようだ。お墓の写真など何気ない町の風景にもそれが感じられた。短いビデオ作品も上映されている。ヴィム・ヴェンダース尾道の山道をのぼって湾を見下ろせる高台に出る。日が暮れていく。ただそれだけである。
思い出したけれど根津神社もつつじの名所だった。もっと早く思いついていればなぁと思いつつ、次は、白金台というこれまた名前だけで腰が引けちゃうが、松岡美術館に『エコール・ド・パリ展』を見に行く。藤田嗣治がお目当てだったが、二点しかなかった。ヴラマンクデュフィモディリアーニシャガールユトリロなど。シャガールのダフニスとクロエがよかった。