迎え火

今夜あたり、お盆だったりするだろうか?
というのは、コンビニの往き還りに線香のにおいがしたから。
正確に言うと、往きに香のにおいがしたので、還りは足元を見ながら歩いた。やはり、一軒の家のかどに、線香が一本焚かれていた。
死者と親しみ、死を畏怖することがなければ、誰の人生もずいぶん惨めなものだろう。死は間違いなくいつでもすぐそばにあり、ほんとうに価値のないものを色褪せさせてくれる。お香のにおいには、確かにそんな効果がある。
お盆が夏であることは私たち仏教徒の死生観にちょっとした影響をもたらしているだろうと思う。