マキノ雅彦、山崎努

週刊誌を購読していて、ときたまに「当たり」という号がある。今週の文春はまさにそれ。
まず、阿川佐知子のインタビュー。インタビュイーはマキノ雅彦津川雅彦の映画監督ネーム)。
見てはいないのだけれど、初監督作品が中島らもの『寝ずの番』というところにセンスのよさを感じている。
伊丹十三が亡くなり日本の娯楽映画はどうなるんだろうと思って、周防正行に「社長シリーズ」を復活しようと持ちかけた。周防も「面白いですね」と乗ってきたので、マキノ雅彦自身で、森繁久弥三木のり平小林桂樹に話をつけた。西田敏行緒形拳に声をかけて続編の了解も得た。
そこまで段取りをつけたのに、肝心の配給会社に話を持っていくと、一言のもとに却下されたそうだ。
最近テレビでよく見かける映画のCM、仕込みのババァが泣いているシーン、そして「感動しました」的な曲のないコメント、徳光和夫かおすぎが「オススメ」、配給会社のエリートたちの活気溢れる職場の様子が手に取るようにわかるが、宣伝だけでなく製作でも同じであるらしい。
しかし、そんなことより、長門裕之朝丘雪路沢村貞子のエピソードがいい。芸能人家族の奇妙な人間臭さが垣間見れる。
山崎努の「少年と老詩人」と副題のある読書日記もよい。これはまるごと読んでいただくにしくはない。
長薗安浩の『あたらしい図鑑』に興味が湧いた。