基地問題

名前は知らないけど、自民党の目の細い人が
「アメリカ様がお怒りですだ」
という旨の発言で、民主党の外交を批判していた。自民党の外交のすべてを物語っていると思う。
自民党の外交センスの末期症状については、この↓
http://www.ohmae.biz/koblog/viewpoint/1335.php
大前研一のブログを参照していただければ、ため息が出ようというものだ。
しかし、この外交姿勢の源をたどれば、たぶん豊下楢彦が、その著書「安保条約の成立 ー吉田外交と天皇外交」で指摘した時点にまで遡れるはずだ。
「ダブルジョーカー」風に、何事にも囚われず自分の眼で世界を見つめなおして、いま、日本が手にしている外交カードをよく点検してみるべきだ。
「沖縄の基地」というカードを有効に生かすためには、「日米安保解消」というカードを封印するべきではないことがわかるはずだ。
相手が「米中関係」というカードを切ってくるのも当然わかるはず。
そのカードにはしかし、「チベット」「ウイグル」「北朝鮮」「台湾」などのカードが有効に使えるかもしれなくて、そのためには、韓国、インド、ASEAN、それからやっぱりロシアとの関係は重要になる。すると「日ロ関係」「北方四島」というカードも手にしていることに気がつく。
ロシアは中国が強大になりすぎることを当然望んでいないはずだから、日本とロシアは利害を共有している。メンツさえ立てば、北方四島くらい返還したところで惜しくないと思っているはずだ。
それをあの麻生太郎がどういう政策を取ったかは、先の大前研一を参照。
いずれにせよ自民党政治を引き継いでもらいたいと思ったら、民主党に投票したりしないのである。大転換が望まれていると思うべきだ。
私が言いたいのは、「日米安保」というカードは絶対捨てないと「思わせるな」ということ。
たとえば、「靖国神社」というカードを捨てて見せるのもよい手だろう。更地にしてマンションでも建てる。アジアとの関係修復に本気だということが伝わるはずだ。
私の考えでは、あの靖国神社という宗教団体は、存在するだけで国益を大きく損なう。もともと役人が作った神社なんだから役人につぶさせればいい。
靖国神社にははっきりと戦争責任がある。直ちに廃祉して、信奉すること自体を禁止すべきだと思うが、すくなくとも、何らかの形で戦争責任を問うべきではあるだろう。
自民党の政治家は、アメリカを怒らせるのが怖くてびくびくしているくせに、靖国神社にはアジア諸国の神経を逆撫でしても大挙して参拝する。
じつは、そのことが自民党の外交姿勢をよく示している。つまり、外交と呼べるほどのことは何もしていなかったのである。