この年末と年始

knockeye2011-01-07

 去年、デスクトップがクラッシュしてしまって、今はネットノートだということは以前にも書いた。
 UQ WiMAX搭載なので、今年の帰省には、鞄にPCを携えるという、モバイル初体験をしてみたわけだった。
 しかし、残念ながら、実家のあたりは、電波が微弱でうまくいかなかった。まあ、いい。別にネット中毒という訳じゃなし、お正月くらいネットから離れていてもよいのだし。
 といいつつ、実家にも、もちろんネット環境はあるし、携帯もスマートフォン‘もどき’なので、つながろうと思えばつながれる訳なのだけれど、なんとなく、毎年お正月は、そんな気にならない。
 おまけに、外付けハードディスクまで、データ(たいしたデータじゃない)が飛んでしまって、ここ2、3年のデータが全部なくなってしまったので、今年から、オンラインストレージにすることにした。容量無制限で、年額5000円足らず。ハードディスクより安くて安全なんじゃないかと思っている。
 いつも、お正月は関西に帰省しても、せいぜい買い物に行くくらいしかないのだけれど、今年は、どういうわけか、加古川ヤマトヤシキと、明石の市立文化博物館で浮世絵展がやっていたので出かけてみた。
 明石の方では、東海道五十三次の縦構図のものも展示されていて見応えがある。
 広重が背景の雪景色を描いて、歌川国貞が前景に三美人を描いた贅沢な絵などもあったが、全体に広重の絵が多く、今さらながら、広重のうまさに感心させられる。最も心に残ったのは、忠臣蔵を描いた小さな絵で、一筆書きのように、表情もポーズもほとんど意匠化されている。どこかの洞窟にある原始人の絵だといわれても、一瞬は信じてしまうかもしれない。
 結局、絵を描くことは、線を引くことなのだとすれば、こうして堂々と、線の個性をさらけ出せることは、名人の証にちがいない。伊藤若冲が晩年に描いた伏見人形の絵を思い出していた。画家にとって、最後に残るのは、やはり、線なのかなと、ぼんやりと思ったりした。
 このお正月の関西は、めずらしく雪が積もって、京都では金閣寺の雪景色が見られたり。両親が、初詣ついでに淡路島に水仙をみにいこうというので、私もついて行ったが、例年よりすこし花が遅いようで、まだ二分咲きほど。
 初めて知ったけれど、長らく明石と淡路島を結んでいたたこフェリーは、ついに廃業してしまったそうだ。元日は、風が強い日で、明石海峡大橋は二輪通行止めになっていたが、元バイク乗りとしては、こういうとき、もし、バイクで来ていたら、どうしたらいいのだろうと心細い思いがした。