話が前後するけれど、シュテファン・ツヴァイクの『チェスの話』を読んだ。

- 作者: S.ツヴァイク,池内紀[解説],辻,関楠生,内垣啓一,大久保和郎
- 出版社/メーカー: みすず書房
- 発売日: 2011/08/20
- メディア: 単行本
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シュテファン・ツヴァイクは、この5月に亡くなった児玉清が好きだった作家だそうで、なかでも「チェスの話」がお気に入りだったそうだ。BSが入っていたころは、彼が司会する週刊ブックレビューを楽しみにしていたものだった。
児玉清はおかしな人で、いつごろからか、「アタックチャンス!」のあのポーズをやるとき、華丸・大吉のモノマネを意識していたと思うのだけれど、考えすぎだろうか。そういうの面白がる人だったみたいな気がする。
「チェスの話」に描かれているプロとアマチュアの相克。文中にある「遊技のなかで単に遊びのみに“diletto”のみに喜びを感じる、この言葉の一番良い意味での本当のディレッタント」は、児玉清自身が自己を投影した態度であったかもしれない。
アマチュアリズムの物狂おしさを、プロフェッショナリズムを外国から輸入したこの国は、すこし軽んじすぎる。最初にそれがなければ、どんなプロも存在しえないということを、つねに思っておくべきなのだ。