『バーナデット ママは行方不明』

 ケイト・ブランシェットが『TAR/ター』の前に撮っていた映画が、たぶん『TAR/ター』のヒットのおかげだと思う、今になって公開された。
 『6才の僕が大人になるまで』のリチャード・リンクレーター監督作品なので、そうでなくても普通に日本公開されてもよさそうだけど、円安のせいにするには時期的におかしい、とすればコロナのせいなんだろうか。
 ただ、アメリカの作家マリア・センプルのアメリカで大ヒットした小説「whereʼd you go Bernadette」を原作としたこの作品は、日本人に引っかかりそうなフックがあまりなかったかもしれなかった。
 旦那がMicrosoftで働いていて、自分は天才的建築家である女性は、日本の女性が置かれている雇用状況と引き比べると、ちょっとありえない夢のような話になってしまうと思われる。日本には夢がないなと、こんなところで身に染みる。
 ただ、『TAR/ター』から振り返ると、このケイト・ブランシェットのコメディエンヌぶり、マシンガントークは見応えがある。
 コメディエンヌといえば『LIFE!/ライフ』、『ゴーストバスターズ』(2016)のクリステン・ウィグが敵役で出ている。『ワンダーウーマン1984』の時のチーターがこの人だったのかどうかは今でも疑問。ガル・ガドットとのコントラストという意味ではそれこそ渡辺直美とかの方が面白かった気がする。
 リチャード・リンクレーターの作品では、『30年後の同窓会』って2017年の映画がすごく良かった。ただ、この邦題はいかがでしょう?。原題は「LAST FLAG FLYING」。
 ベトナム戦争の戦友3人が、イラクで戦死した息子の遺体を引き取りにいく話なんだけど、この邦題で伝わる?。わざと観客を遠ざけたいのかと。スティーヴ・カレルローレンス・フィッシュバーンブライアン・クランストン。ちなみにローレンス・フィッシュバーンはこの『バーナデット』にも出ている。


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 クリステン・ウィグのコメディエンヌぶりが確認できる二作品。↓

 『6才の僕が大人になるまで』も傑作だけど、こちらは邦題がかわいそうすぎる↓

 スティーヴ・カレルの変幻自在ぶりに舌を巻く二作品。↓

 大豆田とわ子も建築家だったけど。角田晃広が『怪物』に出たのはこの縁だったと思う。