2022-06-01から1ヶ月間の記事一覧

『ベイビー・ブローカー』

『真実』が是枝裕和Xカトリーヌ・ドヌーヴだとしたら、今回は是枝裕和Xソン・ガンホということになるだろう。フランスに比べれば、韓国の方が文化の面でも言葉の面でも越えなければならない壁は低かったろうとはおもうけれど、母語文化圏の外で創造性を失わ…

『私だけ聴こえる』

この週末に観た映画は3本とも素晴らしかった。まずは『私だけ聴こえる』。 今年、米アカデミー賞を席巻した『CODA』の、この映画は実際のCODA(child of deaf adults)に取材したドキュメンタリー。ポスターに使われているきれいな女性はナイラさんという『…

鎌倉のあじさい

先週末に鎌倉にあじさいを見に出かけた。鎌倉のあじさいといえば明月院なんだけど、午前9時開場なのに、その10分前には行列が線路道まで伸びているのをみて諦めた。 あじさいを見るのに並ぶか?。ラーメン食うにも並ばない私なので、駆け込み寺として有名な…

『死刑にいたる病』

『凶悪』で一躍スターダムにのしあがった白石和彌監督なんだけど、個人的にはあれ以来、ちょっとピンとくる作品がなかった。『日本で一番悪い奴ら』は世間では評価が高かったんだけど、あの男子校的なノリが空回りとしか私には見えなくて、綾野剛が一流の柔…

『アンラッキー・セックスまたはイカれたポルノ 監督〈自己検閲〉版」

この映画はベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞している。日本で公開されているのはラドゥ・ジューデ監督による自己検閲版だけれども、垣間見るところ、あけすけなセックスシーンが満載みたい。 ストーリーはシンプル。主人公の女教師のプライベートなセックス…

原発稼働に対する日米の違い

以下のラジオで、電気が足りない、から、原発再稼働せよ、という話になっている。 電気が足りない、原発再稼働せよ、が前提にあって、原発は安全だ、という理論になっている。望む結論から理論を誘導している。原発事故直前の「原発はクリーンで安全」キャン…

『流浪の月』に見る弱者論

ジョニー・デップとアンバー・ハードの泥沼の訴訟合戦が続いている。 真実がどちらにあるのか知らないが、にもかかわらず、当初、ジョニー・デップの方がただ一方的に断罪されていたのは事実である。 一般的には、こう言うことを指してフェミニズムと捉えら…

『シン・ウルトラマン』についての評いくつか

みのミュージックのみのさんとライムスター宇多丸さんがともに『シン・ウルトラマン』についての評を上げていて、私が分からなかったあの画角だけど、あれは実相寺昭雄の画角だそうだ。 映画の後半についての評価はおしなべて辛い。岡田斗司夫は退屈で寝たそ…

『鎌倉殿の13人』と日本人の「天罰」

『鎌倉殿の13人』での源頼朝のやり口が非道すぎて、大泉洋だからまだ見てられるけど、他の人が演じてたらたぶん顔を見るのも嫌になっただろうって気がする。大江広元が今の麻生太郎のご先祖さまらしいから、現在の政治状況のカリカチュアとしても胸糞が悪い…