田勢康弘とビートたけし

東向きの暗い部屋に住んでいるおかげで、夏は比較的過ごしやすい。
今日のような初夏の一日は、窓から入り込む風が心地よくて出かける気がしなくなる。一日中うとうとして過ごした。
ビートたけしテレビ東京の「田勢康弘週刊ニュース新書」に出ていたけど面白かった。
田勢康弘「あれ、まだ自民党政権時代だったころにたけしさんが書いた文章の中にですね、なるべく早く民主党に政権を取らしたいと、それで、何だ自民党とおんなじじゃないかといってやりたいと。なんかそのとおりになりましたね。」
ビートたけし「そうなんです。前からね、他局で政治家の出てくる番組があって、民主党とかその野党がね自民党にワーワー言ってるんですよ、政治と金の問題だなんだって、パッと考えて、逆に言えばわれわれも政権交代すれば世の中よくなるかと思ったんだけど、その前に民主党の人に、お前たちも同じだろうと言われる可能性ないですかって、公約とか守るんですかって。ほんとかなぁって。これは単なる自民党の小型がいるだけで、同じ種類なのにどうしてそう変わるんだって思ってたら、案の定ね、書いたとおりになったってか。」
大江麻理子「そうでしたねぇ」
田勢康弘「毎年一人総理が代わるなんてけしからんっていってたわけですからね。八ヶ月ですよ。」
ビートたけし「ただ、何だろう、やっぱり、田中角栄というひとは、まぁ、悪い人なんだろうけど(笑)なんだろう、その・・・人物的に魅力がある人なんですよね。」
田勢康弘「いや、そりゃ魅力ありましたね」
ビートたけし麻生太郎さんも会ったけど魅力があるんですよ。ところが鳩山さんあたりだと、まるっきりこう・・・。小沢さんなんて特にそうだけど、失礼だけど、あんまりその個人に、仕事関係なく、個人に魅力が感じられないっていうかんじがして、魅力が感じられない人が政権ばっかり動かしてる感じがしてね。」
田勢康弘「なんかミネラルウォーターみたいな感じな人がじゃないですかね」
ビートたけし「うん。なんだろうと思うんですよね」
田勢康弘「やっぱり、ワルの部分が足りないんですかね」
ビートたけし「結局、ある人にとってはワルかもしれないけど、ある人にとってはすごいいい人になるわけで、ふり幅なんで、ドラマもみんなそうだけど、チョイワルのひとは映画になんないけど、大悪の人は振り子だから、こっちの大悪は、こっち方にすごいいい人になるポテンシャルエネルギーみたいなのが振り子にあって、1のよさはマイナス1の悪にしかなれないっていう、だから、このへんでこうやってるひとよりも、おおワルがものすごい偉大な人になる可能性もあるってかね。だからこういう振り子は魅力だと思うんですよ。」
田勢康弘「その話で思い出すのは、やっぱり、小泉さんはね、ワルになりたかったんですよ。織田信長になりたかったんですよ。尊敬する織田信長に」
ビートたけし「うん」
田勢康弘「で、比叡山焼き討ちのようなことやりたいっていうんで、郵政解散をやったんですよね」
ビートたけし「・・・やっぱり、何だろう、役者論で言えば、小泉さんは、大見得を切れる歌舞伎役者をできるんですよ。小泉劇場っていわれるように。」
田勢康弘「ええ」
ビートたけし「政局とか政治が晴れ舞台だとしたら、小泉さんは、こうやってできたんですよ。だから、大見得切れる人の方がいいんですよ。ダメな政治家は舞台が用意してあって、普天間なんて間違いなくすごい舞台なのに、大見得切ろうと思ったら、何にも動かなくなって、こうなったでしょう。
で、大見得切った瞬間に喧嘩してやめちまえばいいんですよ。
『動かない、だったらやめる』
って言ったほうがよかったし、政治とカネの問題だってやめるチャンスはいっぱいあったんですよ。お母さんの小遣いもらってたってさんざんつつかれたときに
『じゃ悪いけどいったんやめる』
ってもっかい出直したらきれいな民主党ってイメージになるけどやっぱりしがみついちゃったんでいさぎわるいんですよね。」
田勢康弘「鳩山さんは六十すぎてる。或いは他の政治家でも五十過ぎてるような人でもみんな顔がなんか子供っぽい感じがしますよね。」
ビートたけし「そうですね・・・」
大江麻理子「今度映画で使いたい方などいらっしゃいますか」
ビートたけし「ま、小沢さんは質屋のオヤジで使いたいなと(笑)
質屋のオヤジで、冷静に『200円にかなりません』といいそうな気がする。
で、鳩山さんが貯金箱持ってきて
『えぇっ!これ200円ですか?』っていいいそうだけど。」
鳩山由紀夫小沢一郎にかつがれた人間のうちではまだしもハッピーエンドだよね。
小沢一郎にはよほど人望がないらしく、かつての側近にはほとんど背かれているし、彼自身も容赦なく斬り捨ててるけど、要するにゲスなんだな。
九月の代表選挙云々いっているけれど、それが民主党と日本の政治にとってどれだけダメージか分からないとしたら、その時点でアウトだよね。
この八ヶ月間、本来なら鳩山政権を支えなければならなかった小沢一郎の存在自身がむしろ、最大のマイナス要因であったことは疑いない。
鳩山由紀夫を支えられなかったことが、小沢一郎の政治家としての無能さを世間に証明してしまったことに、自分ではまだ気がついていないと思う。
これだと、小沢代表時代の鳩山由紀夫幹事長の方が、はるかに立派だったと私は思う。あの大久保事件のときにも鳩山由紀夫小沢一郎を支えきったよね。
その意味では、鳩山由紀夫より小沢一郎の方が無能だ。小沢一郎はただたんに選挙上手というだけだが、それも、無党派層の支持率を4%にまで減らすようでは、今からの時代には通用しそうにない。
要約すれば、小沢一郎はドブ板政治家としてのみ有能だったということなんだろう。