歌川芳艶

 国芳展の後を受けて、太田記念美術館では、国芳の弟子、芳艶の展覧会。
 戯画の独創性では遠く及ばないものの、武者絵の迫力はなかなかどうしての迫力。
<八島壇浦海底之図>や<両賊深山妖術競之図>など、師匠を凌駕しようとした工夫の跡が見られる。

 それで思い出したが、町田の美術館にハイビジョンシアターというのがあって、そこで月岡芳年の短い番組を見た、上野の彰義隊を扱ったもので、月岡芳年は実際に上野に足を運び、戦死者を写生したそうだ。
 国芳の、武者絵の方は引き継がれたが、笑いの方は生きながらえなかったのは残念に思う。それをおもしろがる社会が消失してしまったのだろう。