- 作者: ノーラ・エフロン,阿川佐和子
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それがなぜ今年になって、やっと邦訳が出るのかといえば、それは、阿川佐和子に翻訳を頼んだからだ。あんな多忙な人に。
ノーラ・エフロンの映画は好きだった。私がオススメしたいのは、そんな評判よくないみたいだけど、ニコール・キッドマンが主演した「奥様は魔女」の
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
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一度ふつうに全編を観た後に、こんどは最初からノーラ・エフロンの解説付きで見直すと面白い。
ちなみに、三谷幸喜の「マジックアワー」という映画の題名は、このノーラ・エフロンの副音声から採ったと、わたしはかってに推測している。
「映画監督は、撮影というパーティーのホストのようなもの」という言葉もあって、これはノーラ・エフロンの映画の撮り方をすごくよく表していると思う。
メグ・ライアンとトム・ハンクスコンビの「めぐり逢えたら」と「ユー・ガット・メール」は、やっぱり名作でしょう。
特に「ユー・ガット・メール」は、あれは絶対ジェーン・オースチンの「高慢と偏見」だと思ってたら、このエッセーに、「ジェーン・オースチンの六作品を最低十回は読んだ」と書いてあったので、ほらねって。
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共通しているのは、頭がよくて、明るくて、前向きな感じかと思うのだけれどどうでしょう。
エイミー・アダムスは、クリント・イーストウッドの娘役を演じた「人生の特等席」、フィリップ・シーモア・ホフマンの奥さんを演じた「ザ・マスター」もよかったけど、ディズニーの「魔法にかけられて」のコメディエンヌぶりが出色だったと思うわけです。舞台もニューヨークだし、あれがノーラ・エフロンの目にとまったのではないのかなと、これも勝手に推測しています。
ただ、フィリップ・シーモア・ホフマンと、メリル・ストリープとは、「ダウト」でも共演していますけど。
メリル・ストリープが演じた、ジュリア・チャイルドの書いた料理本についても、「私を通り過ぎた男とレシピたち」という章でふれられています。男と料理がこんなふうにからめて語られるのが面白い。
「ジュリー&ジュリア」が持っている独特の苦さが、わたしはすきです。ノーラ・エフロン自身の心境は、ジュリアに近かったと思うんです。でも、ジュリーの一人称で映画は語られる。物語が語り手のものとはかぎらないということなんでしょうか。
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