『リボルバー・リリー』

 綾瀬はるかって人は実はアクションスターでもある。『ICHI』とか『僕の彼女はサイボーグ』とか。そういうわけで、まだ動けるうちに、この分野での代表作ができればいいがなぁって思うファンも多かったに違いない。
 それに『リボルバー・リリー』の舞台になっている大正から昭和初期の日本は、日露戦争の負債を第一次世界大戦の特需で返済して、日本経済が絶好調の時期であった。その裏側で、勘違いした軍部が、大陸でよからぬことを始めた時期でもあった。
 なので、そういう時代背景と綾瀬はるかのスター性があれば、面白いことになりそうなものである。そう期待した映画ファンも多かったに違いない。
 まあ、もう公開から時間が経つ。賛否両論出尽くしていると思うので、ご存知の方も多かろうが、賛否いずれにせよ、上記のような高いレベルの期待に応える結果にはなってない。
 個人的に目に余ったのは、ジェシー板尾創路日本陸軍側の「どないしたん?」感。これはしかし役者の責任ではなくて、陸軍の背景が脚本段階で全く理解されていない。あれだと演技のしようがないと思う。
 敵役の存在意義が「?」なので、あとはどうしようもない。小手先でどうにかなる問題ではない。
 じゃあせめてアクションシーンだけでもすごいのかといえばそれもそうでもない。あげればキリがないが、霧もひどかった。あれ、霧?。行定さん、霧を見たことないのかな。
 ツッコミどころは際限ないのだが、他のレビューを見ると、自分が気が付かなかったところでまた罵倒されている。ツッコミどころの宝庫ではある。
 シネマサロンのお二人はさすがにプロだけあって、予告編がメイキング映像だけなのを見て「あれ?」と思ったそうなのだ。言われてみれば、予告編って映画のストーリーに興味を引くように作るはずなのである。それがメイキング映像だけな時点で、中身がないのがわかったはずだった。
 ま、どうせ暇つぶしに映画を観てるんだから、中身がない分、胸糞悪くもならないなって映画。


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