『愛おしい骨』

愛おしい骨 (創元推理文庫)

愛おしい骨 (創元推理文庫)

 これは、ずっと前に読み終えていたのだけれど、つい、感想を書きそびれていた。
 世評は高いのだけれど、自分にはそんなにピンとこなかった。面白くなかったということではないけど、世評にくらべてということ。
 主人公が、絶世の美男子なのが、ちょっとむかつくし。
 この主人公の設定は、作者が女性だから可能だったんだろうな。
 作者のキャロル・オコンネルは、ルース・レンデルの大ファンで、処女作の原稿をわざわざイギリスの、ルース・レンデルと同じ出版社に送ったほどだそうだ。
 舞台となった、アメリカの田舎町の感じはすごく生き生きと感じられた。
 誰も行かない図書館、町外れのビリヤードのあるバー、写真の飾ってある郵便局、推理小説や犯罪小説って、土地に根ざしていないと魅力が半減する。たとえ、架空の土地でも。
 ただ、ウェクスフォード警部のキングズマーカムの方が、やっぱり魅力的かな。