「ゴーン・ガール」と‘オウン・ゴール’は響きが似てる(でもないか)。
監督のデヴィッド・フィンチャーは「ソーシャル・ネットワーク」を撮った人だ。あの映画はよかったとおもう。というか、もちろん、世間でも大ヒットしたんだけど、福田和也が「ありきたりだった」みたいなことをSPA!で言っていたので、そうなのかなぁとか思うのだけれど、facebookの創業者という鮮度の高い人物の評伝を、古典的なドラマに‘見立てた’ところがセンスだったと思う。その‘あえて’なところ。
で、この「ゴーン・ガール」なんだけど、そういう‘やってくれる’感はますます磨きがかかっていて、トレイラーを見ただけだと、オーソドックスな本格ミステリーなのかしらむと思わざるえないんだけど、これがとんでもないんだ。
しかし、どう‘とんでもない’かは言えない。ただ、観た人は言いたくてうずうずするはずだとは言っておく。現に今の私がその状態なんだが、でも、いえない。
主演がベン・アフレックなのは、まったく正解だわ。そして、奥さん役のロザムンド・パイクのラファエル前派的な美貌も、それなしでは成立しない。劇薬的な美貌だね。
はじめて観る人の楽しみを奪わないでおこうと思うと、どうしてもこれ以上書けない。字数を埋めなきゃならないプロの評論家は大変。デヴィッド・フィンチャーおそるべし。