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日曜日に東京国立博物館に行ってきました。ご存じのとおり祝日の前日は午後八時までですので。
ただ、誤算だったのは国立西洋美術館の夜間営業は金曜と土曜だけだった。まあ朝早いとは言えない、午前十一時の少し前だったんだけど、国立西洋美術館のファサードは大行列。モネ展がすごいことになってるみたい。
東京国立博物館のお正月といえば長谷川等伯の松林図屏風。
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国宝の中の国宝と言われる松林図屏風をこんな間近で見られて、しかも、撮影自由なのに、国宝室はせいぜいこんな感じ。
水墨画、特に山水画が対象ではなく空間を描くものだというのが最もよくわかる。それこそ、モネが《日の出、印象》を描いた時に目指した方向はこれだったと思うのですけど。
長谷川等伯が七尾の出身なので、能登地震に関する募金もやってます。七尾の松林を船の上から見た構図だとも聞いたことがあります。
東京国立博物館 - 東博について 会員制度、寄附・寄贈 博物館事業への寄附について
お正月らしい、巳年にまつわる展示。
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「十二神将は、薬師如来が発した12 の誓いに対応して仏法を守護する 神々です。中国で12種の生物と結び つき、巳神は頭上にとぐろを巻いた 蛇を表わします。下を向きながらに らみをきかせる様子は迫真の表現 で、まるで蛇のようです。京都・浄瑠璃寺に伝来しました」
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「とぐろを巻いた蛇の体に老人の顔をもつ字賀神を、頭上にいただく弁才天です。宇賀神は宇迦之魂神と して『古事記』にも登場する食物や 福徳の神で、鎌倉時代になると同じ く福徳の神である弁才天と結びつく ようになります。本像は宇賀神が制作当時のまま残る最古の作例です」
鎌倉時代・13世紀|木造、彩色・截金、玉眼。
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芳年は師匠の国芳よりちょっとカッコつけてる感じに見えるのは明治になったせいで、お高く止まらざるえなくなったのかも。長州の田舎侍に有り難がらせなきゃならないので、こういう演出も必要だったかと。
歌麿はアンティミストで、この姿勢が印象派に与えた影響も無視できないのかも。メアリー・カサットは浮世絵のコレクションをしていてこの影響は明らかですが、彼女だけでなく、印象派の画家たちが歴史画より身近な画題を好んだのは間違いなく思われます。
最近の西洋美術は、結局、歴史的便器を本尊としているようで、要するに権威主義に戻りたいってことみたいですね。
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こういうの見ると、仏像の光背の起源がコブラだったのかと思いたくなりますが。どっちが先かわからないし。「悟りを得たブッダが瞑想する間、蛇の王が傘となり雨風から守ったという仏伝に基づいた仏像です。」だそうです。12〜13世紀。
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西洋に移るとこんな感じ。「ヘビがアテナのシンボルとなった背景には、その昔、アテネの神殿に大蛇が棲んでいると言じられていたこと、ヘビが知恵を想起する生き物であったことが関係しています。」だそうです。胸元を飾っているのはゴーゴンみたいですね。
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この皿でパスタは食えない。
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銀化が美しい。
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これが土の中から出てきて蛇の土偶だと気づいた人の集中力がすごい。