辺野古移設について

knockeye2016-01-13

 辺野古移設反対のデモについて感じる違和感を書いておきたい。
 報道によると、300人とか400人とかの人が、反対を訴えて座り込んでいるらしい。それについて、まず感じる違和感は、その実効性だ。ことここに至って、それに何の意味があるのかわからない。もし、本気で沖縄から米軍基地をなくそうとか、減らしていこうとか考えているなら、もっと現実的な行動があるのではないか。
 沖縄の米軍基地縮小が、最も実現に近づいたのは、鳩山由紀夫が政権を取ったときだった。基地の国外移設を選挙公約に掲げて、その選挙に勝ったわけだから、まともな民主主義国家なら、それは実現されるべき事だった。現に、フィリピンでは、米軍基地をなくした事があった。しかし、鳩山由紀夫はそれを実現させずに、政権を放り出した。
 私が思うに、もし、本気で、沖縄から米軍基地をなくそうと考えているなら、あのときにこそ、怒るべきだった。でも、あのときは、ま、しょうがないか、みたいな空気だったと記憶しているのだけれど、違うだろうか。それなのに、いま、なぜそんなに強硬に反対な人たちがいるのか、ちょっと理解しにくい。
 それで、イヤな事だけど、ピンときてしまうのは、つまりは、あの時は、民主党政権で、今は自民党政権だからじゃないのかって、ゲスの勘ぐりと言われてもかまわないけれど、去年は、デモという行動について、失望した年でもあった。デモってそれを動員する団体があるらしいね。で、その団体は、民主党のやる事には、あんまり文句言わず、自民党のやることには、なんでも反対らしいね。だから、逆を言えば、民主党政権のときに国会を取り囲んだ、反原発デモは、その自発性に信頼がおける気がしたのだ。
 今回のデモがあまり一般の人の共感を伴わないのは、なんだか「民意」を僭称されている気がするからじゃないだろうか。ほんとに、沖縄の人たちが反対しているのか、なんか、伝わらない。
 それに、この移転は、一旦は、選挙で決まった事で、沖縄の人たちも賛成した事だった。もちろん、心情的に言えば、反対したいのは当然だろう。そう思っていた。だから、賛成という結果が出た時は、拍子抜けした。大田昌秀が選挙で負けたときかな、一番「え」っておもったのは。沖縄の民意も複雑だなと思った。
 でも、鳩山由紀夫が、公約を反故にしたのは、その後ですよ。あの時は、移転先と目されていた、テニソンの知事が来日さえしたんですよ。政権交代が実現したのに、あんな重要な公約が実現しないなんて、アメリカ人にはちょっと考えられなかったんじゃないか。だから、あの結果については、日本の政治について、侮りやすいと感じさせる事になっただろうと思う。
 だから、そのときに、デモなら、わかるんですよ。今更、デモでなはないと思う。
 翁長知事も、かつては、今の基地移転計画の旗振り役だったんでしょう。なんで急に掌を返したのかだが、これについても、下世話な話と思って頂いて結構なんだが、石原伸晃が、「金目でしょう?」って言ったのが、すべてだと思う。
 言っていいことと悪いことがある。そりゃ、この基地移転について、翁長知事だって沖縄の人なんだから、ベストだと思ってるわけじゃないと思う。でも、総合的に考えて、県民を説得して賛成にこぎつけてるのに、親の七光りの二世議員が「金目でしょう?」って、そりゃ怒るだろう。「沖縄の痛みを理解していない」とか、そんなレベルではない。人間性に問題がある。
 だから、石原伸晃に指でも詰めさせないと、決着は付かん。バカに仕事を任せるとこうなる、よい実例だろう。
 私としては、サンゴ礁を傷つけるのが忍びないので、いったん計画を白紙にして、ゼロから考え直すのがベストではないかと思うが、それにしても、遅すぎるかも知れない。