2016-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「ひそひそ星」

園子温監督の最新作「ひそひそ星」は、すばらしかった。 一説によると、映画評はこういう書き方をしてはいけないのだそうだ。「良い」だの「悪い」だの言葉を使わずに「良さ」や「悪さ」を伝えなければならない。 なので、「・・・はすばらしかった」の言い…

ルノワール展

こないだピカソの《アヴィニョンの娘たち》について言い及んだのに、肝心の絵をアップしなかった。美術館で絵葉書を見かけたので買ってきた。 でも、今、国立新美術館に展示されているルノワールの裸婦《浴女たち》は、《アヴィニョンの娘たち》と同じくらい…

「海よりもまだ深く」

是枝裕和監督の最新作の「海よりもまだ深く」というタイトルは、テレサ・テンの歌詞の一節から取られている。劇中歌にも使われている。このやり方は以前の「歩いても、歩いても」が、いしだあゆみの歌から取られていて劇中歌にも使われているのと同じだし、…

「ヘイル、シーザー!」

コーエン兄弟とジョージ・クルーニーといえば、「バーン・アフター・リーディング」のすべりっぷりを思い出す人も多かろう。「ファミリーツリー」を思い出しても、ジョージ・クルーニーにコメディアンの資質があるとは思いがたいのだが、多分、コーエン兄弟…

「ガルム・ウォーズ」

押井守の書くセリフを字幕にするなんて不可能という鈴木敏夫の判断で吹き替えのみの公開らしい。 押井守のセリフは、まるで、神道の「祝詞」みたいなもんだなと思って、英語のセリフだと、どんな具合に受け取られるんだろうと、つまり、どんな具合にニュアン…

「殿、利息でござる」

中村義洋っていう映画監督は、「ジャージのふたり」とか、「ポテチ」とか、「ジェネラル・ルージュの凱旋」とか、コメディーのセンスが上質。それに、「アヒルと鴨のコインロッカー」もそうだけど、ちょっと映画化できないんじゃないかという感じの原作をシ…

ピカソ、天才の秘密

あべのハルカス美術館で、「ピカソ、天才の秘密」っていう展覧会がやってる。初期のピカソ、キュビズムに至るまでの作品を集めている。 これなんかまるでロートレックだし、 これなんかは、パステルというせいもあって、まるでドガみたいだ。 ピカソの神童伝…

安倍・プーチン、ソチで会談

ゴールデンウィークの間に、安倍首相が、ロシアのソチに行って、プーチンと話してきた。安倍首相とプーチン大統領の在任中に、先の戦争の落とし前をつける意思であるようだ。 1945年に終わった戦争の事後処理がまだできていないこと自体が、やっぱり異常だと…

「マジカル・ガール」

「マジカル・ガール」は、3月の公開からもうだいぶ日が経っているし、観たい人は観たんじゃないかと思う。有楽町のヒューマントラストだったかで、けっこう行列だったのを尻目に殺して、その日は、ニコール・キッドマンの「虹蛇と眠る女」てふ、オーストラリ…

イチロー逆転タイムリー

イチローが、逆転の2点タイムリー。

『映画にまつわるXについて』

映画にまつわるXについて (実業之日本社文庫)作者: 西川美和出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2015/10/23メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 西川美和の『映画にまつわるXについて』を読んだ。 「ゆれる」と「夢売るふたり」についての話が…

「スポットライト 世紀のスクープ」

「スポットライト」は実話なので、映画としてどうこう言うことと、その映画が描いている事実についてどうこう言うことが、混乱するのは避けられないかも。 例えば、レイチェル・マクアダムスは、「誰よりも狙われた男」の方がチャーミングだった、とか、マー…

「ルーム」

レニー・アブラハムソン監督が、「ルーム」の前に撮った「フランク」は、観ようかどうか迷いつつ、結局、見逃してしまった。マイケル・ファスベンダーがずっとかぶりものをしている、イタそうなミュージシャンを演じていた。 予告編を見ただけでは、ホントに…