第12回 雀昇ゆかいな二人」

knockeye2015-11-10

 横浜にぎわい座に「第12回 雀昇ゆかいな二人」を聴きにいきました。
 ちょっと狐につままれた感じなんだけど、このまえ、聴きに来たのは、なんと、2009年の「第6回」の時が最後だった。毎年、気にかけてたんだけど、「あれ?もうやめちゃったのかなぁ」とか思ってた。まあ、あいだに、東日本大震災を挟んでるから、別に意識していなくても、気もそぞろだったのかも。それにしても、雀三郎さんが京都でやった還暦の会なんかは、行きはしなかったけど、アンテナにはかかってたのに、にぎわい座のがキャッチできてなかったのは、ショックでもあるけど、むしろ、不思議。今調べたら、内幸町ホールの方も、桂米二さんも今年もやってたのね。おかしあなぁ。仕事に追われてたのかなぁ。
 まあ、それはともかく、行ってきました。桜木町で午後7時開演だから、仕事帰りでも来られるのだけれど、せっかくだから、お休みいただいて、朝は、上野でモネでもと思っていたけど、昼まで寝てたので、それは果たせませんでした。かわりに、八王子に、幕末、明治の浮世絵を見に行きましたけど、それはまた、別の機会に。八王子から桜木町って、鉄道的に言えば、横浜線踏破なんですね。各駅停車で1時間1分かかりました。
 それでもまだ、2時間位持て余したんですけど、桜木町界隈も、コレットマーレとか、クロスゲートとかが開業して、この五年で随分様変わりしまして、時間がつぶせるようになりました。椿屋カフェで紅茶シフォンをいただきました。私はあそこにいくとだいたい紅茶シフォンでして、「シフォン主義者」なんつって。
 まあ、そういうわけで、久しぶりの「雀昇ゆかいなふたり」でしたが、改めて感じたのは、にぎわい座は、なんか春風亭昇太のホームみたいなところありますな。桂雀三郎がアウェーなのは、当たり前としても、江戸の寄席は、行ったことないので何ですけど、なんか小難しい顔して聴いてるイメージありませんか?。なんか、林家正蔵が高座に上がると、だあーって客が出てっちゃうとか、話に聞きますよ。亡くなった古今亭志ん朝が、「そんな必死で聴くもんじゃなし・・・」とか、対談で言ってました。名古屋の大須演芸場なんかを好んでたのも、江戸の寄席のそういうスノブなところがやだったのかなとも思います。
 にぎわい座は、それ考えると、若い女の子とかも多いのは、昇太さんの客なんでしょうな。アットホームな雰囲気です。
 今回、前座、兼、鳴物に、桂米團治のお弟子で桂米輝という人が来てまして、めくりも若い子がやってましたので、上方風の会でした。
 演目は、その桂米輝が「小倉船」
 春風亭昇太は、「猿後家」、「二番煎じ」の二席、桂雀三郎が、「代書」、「崇徳院」の二席。なんで、9時には終わらないですね。9時半回るくらい。子供じゃないから、そりゃ全然いいんですけど、むかし、大阪の池田で「米朝志ん朝 二人会」を聴きに行ったときのことなんですけど、ちょっと延びそうだった。それで、古今亭志ん朝という人は、江戸っ子なんだなと思ったのは、米朝師匠と大阪の客に気を使ったんでしょうな。「付け馬」だったんですけど、走る走る。そんな気を使わなくていいのにと思いました。
 「代書」は、枕でもふれてたので思い出しましたけど、米朝師匠の師匠、先代の桂米團治の作。
それを、雀三郎さんの師匠の桂枝雀が現代風にアレンジしたもので、米朝一門にとってはゆかりのネタなんですね。雀三郎さんも独自の工夫をされてました。雀三郎さんの「崇徳院」は初めてだったかもしれないんですが、独特の演出でした。
 それにしても、五年間もこの会に来てなかったのは損してました。毎年11月には意識してないといけないです。