「レッドファミリー」

knockeye2015-06-10

 「嘆きのピエタ」を監督したキム・ギドクが脚本を書いて、プロデュースしたのに、監督はしなかった映画「レッドファミリー」。ロードショー中に新宿武蔵野館で観ようとしたけど満席で見逃してしまったのが、アミュー厚木でやってたので、これもまた最終日ギリギリにすべりこんだ。
 隣の「絵に描いたような」幸せそうな家族が、実は北朝鮮のスパイだったっていう設定は、それからいくらでも遊べそう。そもそも「北朝鮮のスパイ」っていう存在自体、今はなんか笑っちゃう感じだし。ていうか、北朝鮮そのものが「侮りやすき」というか、そういう映画も実際あったし、そういうパブリックイメージになりつつあるでしよう。
 それを一番身近な韓国でコメディにするんだから、さぞやシャレのめしてるんだろうなと思いきや、意に反して、どうにも煮え切らない感じだった。最後の方は、まるで、韓国のプロパガンダ映画みたいになっちゃって、これじゃ笑えないなぁって。「ハングオーバー!」みたいなハジけ方してくれるのかと思っていた。やっぱ、まだ戦争中なんだなぁっていう、薄ら寒さが残る後味だった。
 でも、今、これが笑えないなら、この先、笑うタイミングなさそうだけどね。もう、キューバですらアメリカと和解してるのに、韓国はまだこれを笑えないのかっていうガッカリ感はあるな。
 ところで、ニューズウィークキューバ特集号に載っていた、ハバナを走るクラシックカーの写真がかっこいいのでスキャンしてしまいました。

 キューバの未来には明るさを感じるけど、北朝鮮には核兵器しかない。だから、これを使う懼れは充分にあるし、その標的をどこにしようかと考えると、中国は怖いし、韓国はいくら内戦中とはいえ、祖国統一というタテマエがあるし、アメリカに楯突きたいけど、全面戦争になったら容赦なさそうだし、ここは遺恨もあって国際的な言い訳のたつ日本に落とそっか?、ってなる可能性低くない。
 何が幸いするかわからないんだけど、日本には拉致問題というカードがあるんだから、アメリカや韓国には悪いんだけど、六カ国協議は一抜けで、「事実上の」北朝鮮支援を始めたらよいと思うんですよね、拉致問題を言い訳に。韓国には多額の補償をしたけど、北朝鮮にはしてないわけだから、なんなら、それを言い訳にしてもいいわけ。
 中国が韓国と接近している今のタイミングなら、北朝鮮を取り込むのはそうむずかしくないし、北朝鮮を取り込めれば、労せずして核が手に入るんですよね。核の危機が取り除けて、核が手に入る。その核は、中国と韓国に、睨みを効かせられるんですよね。
 それに北朝鮮の経済成長の上澄みを独占できる。今どん底なわけだから、わずかな資本投下で効果が期待できるし、安い労働力が日本企業の競争力に寄与することも期待できる。
 いいこと尽くしですけどね。日本がやらなきゃ、プーチンがやると思うな。