2014-06-01から1ヶ月間の記事一覧

「華麗なるジャポニズム展」のつづき

‘19世紀後半、日本のあらゆるものにとりかこまれて、独特の熱狂が存在したのがボストンである。そこでは、コレクターたちと学者たちが、失われていくひとつの文化を表していると信じた美術品を保存しようとしていた。’と、図録にある。 そして、その努力を…

「華麗なるジャポニズム展」

世田谷美術館に「ボストン美術館 華麗なるジャポニズム展」を観にいった。 用賀駅から直行バスがでているので、それに乗ったのだけれど、このごろ東京を騒がしている「ゲリラ豪雨」というやつを経験した。今、バスが停車しているあたりは降っていないのに、…

「チャイナタウン」「渇き。」「All you need is kill」

先週、先々週、続けて仕事で週末がつぶれた腹いせに、今日は映画3本をイッキ。仕事より疲れた。 まず「チャイナタウン」ていうのを観た。ロマン・ポランスキー監督、主役のジャック・ニコルソンが鼻を切られるシーンを観たことがある人も多いんじゃないか。…

「米軍慰安婦」報道をうけて、きのうのつづき

昨日の記事を書いた時点では知らなかったが、報道によると、一昨日、6月25日に、朝鮮戦争後、在韓米軍基地近くで、米兵相手に売春をしていた女性たちが、‘「米軍慰安婦」として韓国政府の厳しい管理下に置かれ、人権を侵害されたなどとして、’韓国政府を…

慰安婦というファンタジーについて

河野談話の再検証は、なにはともあれ、この‘慰安婦問題’が、たぶんに政治的であることを、すくなくとも明らかにした。 わたしにいわせれば、‘慰安婦問題’は、なかなか入り組んではいるが、しかし、そもそもファンタジーにはちがいない。 だいたい、1990…

鉄斎展

ヴァロットンを観にいった日に、近くでやっている富岡鉄斎の展覧会ものぞいてみた。 鉄斎はまあまあ大きい名前だったはずだが、ここ何年か、長谷川等伯、俵屋宗達、尾形光琳、円山応挙、長沢蘆雪、曾我蕭白、伊藤若冲、酒井抱一、鈴木其一、狩野芳崖、などな…

アミューあつぎに「ペコロスの母に会いに行く」

本厚木駅の地下工事が終わり、アミューあつぎっていうのができてたんだけれど、そのなかに映画.comシネマっていう映画館ができた。 今もそう言うのかどうか、昔でいえば、‘名画座’みたいな感じで、ロードショーでない映画を格安で上映するらしい。 今週…

ニューズウィークの「反ヘイト」記事

在特会のヘイトスピーチは、はっきり‘暴行’だとわたしは思う。法的に罰せられないのは、その暴行の被害者が誰かが特定できないためだが、わたしは、ヘイトスピーチは個人ではなく、公共に向けた暴行だと思う。 しかし、公共とは何か、という定義は、実は曖昧…

ヴァロットン展

晴れて気持ちのいい週末だったが、土曜日は仕事関係の講習につぶれて調子が狂ってしまった。 日曜日は、三菱一号館の、フェリックス・ヴァロットン展(と、バルテュス最後の写真展)へ。 三菱一号館は、館長の高橋明也という人がたぶん面白い人だね。あんま…

「ミルク」

ミルク [DVD]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2009/10/21メディア: DVD購入: 4人 クリック: 75回この商品を含むブログ (132件) を見る 少し前の映画だけれど、「ミルク」を観た。この年のアカデミー賞では、作品賞を含む8部門にノミネート。ショ…

ラウル・デュフィ

Bunkamuraにデュフィを観にいった。 デュフィほど音楽を感じさせる画家はいない。これはたぶん言い古されている。でも、それは不思議なことじゃないだろうか。耳には静寂しかないのに、目が音楽を観る。 私が今までに観たデュフィの展覧会は、ひと…

「グランド・ブダペスト・ホテル」

ウェス・アンダーソン監督の「グランド・ブダペスト・ホテル」。すばらしい。 「ムーンライズ・キングダム」もよかったけど、今回のはさらによい。 わたしは、映画のクレジットロールを最後まで観るタイプなんだけれど、今回、ホントに席を立たなくてよかっ…

ポルディ・ペッツォーリ美術館展 他

Bunkamuraのポルディ・ペッツォーリ美術館展には、最終日の5月25日に立ち寄った。 個人的には特に惹かれる展示ではなかったが、第二次大戦の戦火で焼失した、「黒の間」や「黄金の間」を撮影した写真や、ヴェネチアガラスの十字架 には、近代の…

「ぼくたちの家族」

石井裕也監督の「ぼくたちの家族」を観た。 前の「舟を編む」の脚本は、監督自身ではなく、渡辺謙作という人だったそうだけど、今回は、石井裕也監督脚本だ。 それで気がついたけど、この人の感覚はオフビートだな。どこか斜に構えている。 笑福亭鶴瓶のポッ…

「インサイド・ルーウィン・デイビス」

コーエン兄弟の新作「インサイド・ルーウィン・デイビス」は、フォークソングの時代を描いた映画と、いちおう言えるのかもしれないが、つまり、ジョーン・バエズの時代、あるいは、ジョーン・バエズがボブ・ディランを見いだすまでの時代なのかもしれないが…