堕落論

大前研一のメルマガを購読している。
その内容は、彼のブログ「ニュースの視点」とリンクしていたのだけれど、#303と#304のあいだに、なぜかブログには転載されていない、特別号というメルマガが届いた。坂口安吾の『堕落論』を連想した。
民主党政権への失望感が決定的なものになっている。それは、小沢一郎の人物が底割れしたためだと思う。小沢一郎という人は、今まで良くも悪くも分かりにくい人だった。しかし、皮肉なことに政権交代実現後、小沢一郎のスケールが隅々まで見渡せてしまった。
たとえば、小沢一郎と対談した後の、ヒラリー・クリントンの表情とか、今から振り返るとすごく分かりやすい。・・・わたしにはね。感覚的な人なので、わたくし。
それで、怖くもなくなった反面、期待もなくなってしまった。よくもわるくも小沢一郎にはこの先はないだろう。
むしろ分かりにくいという点では、そのファッションも含めて、鳩山由紀夫の方が分かりにくい。記者会見もようやくフリーに開放したようだし、案外あっさり芹澤鴨を斬り捨てるみたいなことをするかもしれない。
週刊現代山口二郎が書いていたが、民主党は今度の参議院選ではむしろ、惨敗するのがいいかもしれない。
小沢一郎は、選挙戦での戸別訪問の解禁をしきりに主張しているが、これは言い換えれば「金を配らせろ」といっているのも同じで、冗談じゃないのだ。
政権交代を、小沢一郎のどぶ板選挙の勝利のようにいうメディアがあったが、選挙民をバカにしてる。
小沢一郎は、今度の参院選でもその手の利益誘導型選挙を展開する気まんまんらしいから、それでもし民主党が勝利したら、それこそ政権交代の意味は灰燼に帰す。
負けるだろうと思うけど、もし勝ったら、それこそ坂口安吾の『堕落論』再読だな。