2014-08-01から1ヶ月間の記事一覧

『闇の中の男』

闇の中の男作者: ポールオースター,Paul Auster,柴田元幸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/05/30メディア: 単行本この商品を含むブログ (11件) を見る ポール・オースターの『闇の中の男』。 この本は、週刊文春に載っていた、岩松了の書評がかっこよく…

「集金旅行」

ユーロスペースで「FORMA」を観た後、4階に移動して、シネマヴェーラで「集金旅行」を観ることにした。 ただ、すこし間があったので、Bunkamuraで「進化するだまし絵」を観た。ほとんどだまされなかったけど。 とくに、トロンプルイユなんて…

訂正

昨日書いたのは、時代の空気として、キリスト教文化が唯一無二の文明として通る息苦しい時代と、それが相対化されて、多数の文化が共存する明るい時代が、かわるがわる訪れる気がしていて、今がどちらなのか微妙な感じだが、すくなくとも、ジョン・レノンが…

ゴジラを英語表記するとなぜ「D」が入るか?

山崎浩一が、週刊アスキーに 文明開化や戦後改革を経ても、なぜ日本にはキリスト教がなかなか広まらなかったのか? (略) 私はその理由をひとつだけ挙げろと言われれば、迷わずこう答えたい − 「日本にはゴジラがいるからだ」と。 と書いている。 今回のハ…

慰安婦の虚偽報道について池田信夫の見解

池田信夫が、慰安婦問題について書いた文章に最初に接したとき、衝撃を受けたとともに、その反動で、ちょっと疑念を抱いたのはたしかだった。 その疑念に根拠はなかったが、元慰安婦の方たちにちょっと気の毒なんじゃないかという思いもあったし、何と言って…

慰安婦問題で朝日新聞は何を検証すべきだったのか

朝日新聞の虚偽報道を検証する、上記の題の記事がハフィントンポストにあった。 30年かの年月、虚偽を放置していたことが、どれだけ大きな問題に発展したかについて、改めて考えさせられた。 ‘1992年1月11日になされた「慰安所への軍関与示す資料 防衛庁図…

『オールド・テロリスト』

今月号の文藝春秋で、村上龍の連載小説「オールド・テロリスト」が最終回。 『希望の国のエクソダス』の続編、までいわないかもだけど、登場人物が重なっていて、シリーズとして読んでいいと思うんだけど、まあ、このふたつの小説をへだてるわずかの時間、イ…

「FORMA」

ユーロスペースでしかやってないんですけど、どうしたんでしょ。「GODZILLA」より「FORMA」でしょ。ゴジラのニセもので満足してる場合じゃないでしょ。 坂本あゆみ監督は、ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞。長編デビュー作がこの賞を受賞…

スズキコージ原始力展

このところのお盆は、まいとし帰阪する。親孝行にはなっていないが、帰らないよりはましだろうということで。 ことしはあべのハルカスに、デュフィ展が来ているのにかこつけて行ってみた。私はもう観ているので、両親に紹介のつもりだったが、あまりぴんと来…

結局、朝日新聞は何をやったのか

結局、虚偽報道を放置し続けることで、朝日新聞が何をやったのかについて、報道機関は検証するつもりさえないみたいだが、この虚偽報道は、慰安婦問題とはまったく別の深刻な事件として取り扱うべきではないだろうか。 今のところ、マスコミの反応は、先日の…

慰安婦問題というメロドラマ

シドニー・ルメット監督が、ドラマとメロドラマの違いについて、ドラマのストーリーが登場人物から派生しなければならないのに対して、メロドラマの場合、「ストーリーの要求に登場人物たちが合わせなければならない」、登場人物は「ストーリーを正当化する…

虚偽報道のその後

慰安婦問題についての虚偽報道を認めた朝日新聞だが、もれ伝わるところによると、それは日本版だけで、英語版では訂正どころか、おくびにも出していないのだそうだ。それはまあ、逆にいえば、重大さを認識している裏返しとは言えるだろう。 先日紹介した、神…

ゴー・ビトゥイーンズ展

森美術館に「ゴー・ビトゥイーンズ展」。 こどもを通して見る世界というサブタイトルがついている、たぶん、夏休み企画。 在日コリアン3世の金仁淑の写真に、この展覧会のテーマである「ゴー・ビトゥイーンズ」をこじつけようとすれば、ビトゥイーン日本・…

補足

きのう、 ≫ 具体的に言えば、慰安婦の報道。提示している事実は虚偽なのに、「全体像は正しい」という論理は、その「慰安婦」が現実ではなく、すでに思想であることをしめしている。少なくとも報道の上では、慰安婦はもはや思想なのだ。貧弱な現実しか提示で…

キネティック・アート、ヤゲオ財団コレクション

土曜日は出勤だった。だけでなく、深夜と呼べる時間帯まで働いている。 まだ書いていない展覧会について。新宿の損保ジャパン東郷青児記念美術館で開かれている、キネティック・アート展。 キネティック・アートだけでなく、錯視を利用した作品が私は好きな…

虚偽報道の本質について

朝日新聞が、慰安婦の強制連行の記事について、虚偽があったことを認めた。今まで公式に認めていなかったとは知らなかったけど、事実上、世界中に流布喧伝された「従軍慰安婦問題」のイメージはこの記事が決定したのであって、他の事例はその傍証として語ら…

フィオナ・タン まなざしの詩学 2回目

土曜日のつづき。 せっかく渋谷にでたので、恵比寿の東京都写真美術館で、こないだ全部見られなかったフィオナ・タンの続きを見ておくことにした。 ところで、わたくし今「見られる」と正しい日本語を使ったわけだが、これが、「見れる」と崩れると「ら抜き…

「イーダ」

シアター・イメージフォーラムで「イーダ」。 単館上映、しかも初日の初回、ややイヤな予感がしないでもなかったが、なにせこの暑さ、日ざかりの炎天下に行列するよりはと、上映開始の30分以上前に着いたのだけれど、「チケットをお求めの方は列の後方にお…