2021-01-01から1ヶ月間の記事一覧

Q-anonはアメリカ人を代表するか、しないか

近代の虚妄―現代文明論序説作者:佐伯 啓思東洋経済新報社Amazon この本について書きすぎている。バカの何とかみたいなんだけど、ひとつには網羅的なので引き合いに出しやすいってことと、さらに大きいのは、タイムリーすぎた。 今年のお正月休みにこの本を読…

東京五輪、人として無理でしょって

東京五輪を開催したとしても、いったい何ヵ国が敢えて参加しようとするかわからない。現時点でお互いに入国制限している状況なのに、現実的な問題として選手とスタッフの準備が間に合うのかどうか。 ましてや、観客の受け入れまでは、とても手が回りそうにな…

『聖断』

聖断天皇と鈴木貫太郎 (文春文庫)作者:半藤 一利発売日: 2012/09/20メディア: Kindle版 半藤一利さんが亡くなったと報じる新聞記事にこの本について書いてあったので。 『日本のいちばん長い日』は2度映画化された、半藤一利さんのもっとも知られた仕事だと…

近代と慰安婦問題

近代の虚妄―現代文明論序説作者:佐伯 啓思発売日: 2020/10/09メディア: Kindle版 日本は歴史を欧米と共有してきたし、歴史という概念を共有してきた。近代という歴史意識のもとで、二つの世界大戦を戦った。 その歴史意識のもとでは、第二次世界大戦は東京裁…

アーティゾン美術館の続き

アーティゾン美術館について書きながら寝落ちしたのでその続きを。 鈴木其一のサイン こないだの続きってことで、鈴木其一の《富士筑波山屏風》にあるサインは、「噲々其一(カイカイキイツ)」。師匠の酒井抱一の四十九日を過ごしたあと家禄を返上し一代画…

『記憶の技法』

池田千尋監督の『記憶の技法』の前半はちょっと危なっかしい。後半に加速するが、前半は大丈夫かなと思った。 男女高校生ふたりのバディー・ムービーってところなんだが、そのバディーの成立過程にかなり苦労したみたい。自分の過去の記憶を突き止めようとす…

Q-anonと日比谷襲撃事件って似てるね

Q-anonがアメリカの議会を襲撃する映像には驚いた。ジョー・バイデンは、あれはごく少数のアメリカ人でアメリカを代表しないと言っていたが、一方で、ブラック・ライブズ・マターのデモとQ-anonの暴徒に対する当局の態度に差があったことを批判している。 ブ…

『えんとつ町のプペル』観ました

個人的にはあまりアニメを観ないのだけれど、『えんとつ町のプペル』は、スタジオ4℃だというので。 西野亮廣の制作なので、考えてみれば当たり前だけれども、吉本興業制作。にもかかわらず東宝配給だった。 吉本興業は、配給の目処が立たないまま映画を作っ…

野見山暁治のいま展、琳派と印象派展

野見山暁治≪男≫1969 日本橋高島屋で野見山暁治の展覧会が、この会期が2021年の1月9日から18日までと、わずか9日間の短さなんだけれども、開かれている。 野見山暁治は、画家としてとおなじく、おそらく文筆家としても知られているだろう。わたしは、文章は読…

M-1の審査員は

去年のM-1は年の瀬だったせいもあり、昔のレコード大賞みたいだった。一夜にして夢を手に入れる姿が目の当たりにできる。去年のレコード大賞なんてたぶん誰も知らない。 それだけ大きな賞になってしまったので、審査員のプレッシャーは大変なんだろう。大変…

『近代の虚妄』反知性主義について

近代の虚妄―現代文明論序説作者:佐伯 啓思発売日: 2020/10/09メディア: Kindle版 「反知性主義」ってことばを「単なるバカ」という意味とさして区別せずに使っていたが、三島由紀夫が自分のことを反知性主義だと(『三島由紀夫vs.東大全共闘』)いうのを聞い…

『詩人の恋』連想

近代の虚妄―現代文明論序説作者:佐伯 啓思発売日: 2020/10/09メディア: Kindle版 この正月休みはどこにも出かけなかった為に読書がすすんだ。佐伯啓思の『近代の虚妄』は、読み終えたからと言ってそう易々と感想が書ける本でもなかった。それでもおいおい内…

『詩人の恋』は観るべし

キム・ヤンヒ監督の『詩人の恋』は、公式サイトによると、去年の11月ごろから新宿武蔵野館で単館上映されていたらしい。いま、だんだん上映館がひろがりつつあるようだ。 先日、2020年度の映画をふりかえって、30本の映画をお勧めしておいたが、もし…

リバプール・ビートルズについて山下達郎が

エド山口さんがYouTube「oh!エド日記」で話していた、1964年に来日した「偽ビートルズ」、「リバプール・ビートルズ」について、山下達郎の新春放談で、宮地淳一さんが話していた。のみならず、曲もかけていた。 リバプール5と言って、アル・シュミットてふ…

『真夏の夜のジャズ』4K修復版

今年最初の映画が『真夏の…』っていうのもどうかと思いつつ、しかし、この正月は、去年のコロナ禍で準備が追い付かなかったってことなんだろうと思う。『ワンダーウーマン1984』はもう観ちゃったけど、それにしても、延期延期でようやく封切りされたのだ…

『ビルとテッドの時空旅行』

チョコレートプラネットがいいタイミングで宣伝してたので。 『ビルとテッドの大冒険』(1989)、『ビルとテッドの地獄旅行』(1991)に続く30年ぶりの第三弾らしい。 キアヌ・リーブスがこの続編に出るって時点で「出オチ」なんで、あとはその勢いをどうす…

『ミッドナイトスカイ』

ジョージ・クルーニー主演『ミッドナイト・スカイ』最終予告編 - Netflix ジョージ・クルーニー監督作品としてどうしても思い出してしまうのは『サバービコン』。コーエン兄弟とジョージ・クルーニーが組んだ映画は他に『バーン・アフター・リーディング』、…

『ゲンロン戦記 - 知の観光客を作る』

ゲンロン戦記-「知の観客」をつくる (中公新書ラクレ, 709)作者:東 浩紀発売日: 2020/12/08メディア: 新書 今年のお正月は外に出られないので本を読むのですが、この本は、東浩紀の「ゲンロン」をめぐる10年のもがき方が実に面白く、ポスト・コロナはこっち…