朝日のようにさわやかに

朝日のようにさわやかに

朝日のようにさわやかに

恩田陸の短編集。
この人は体質的に長編小説家であるらしい。
ちまちましたことが嫌いなんじゃないだろうか。なにしろ、月に300冊を読み3000枚を書くといううわさ。短編なんて書いてられるかというのがホンネであっても別に驚かない。
『不連続の世界』はシャーロックホームズ型の短編集であれは面白かった。
この短編集も恩田陸らしく一筋縄ではいかないのだけれど、「楽園を追われて」はその中にあって本人も認めるとおり「普通の」小説という意味で異色作である。
短編集って普通はこういうのが集まってるんだよなぁと改めて恩田陸ワールドに苦笑いしてしまった。
タイトルの「朝日のようにさわやかに」は多分ジャズのスタンダードナンバーなのではないだろうか。ジャズっていうのは敷居が高くてなかなか。今後ともお邪魔するつもりはないし、そういう敷居の高い世界っていくつかはあってほしいと思っている。