2012-08-01から1ヶ月間の記事一覧

李明博

李明博大統領は、非常に有能で尊敬に値する政治家だったと思う。日本のカウンターパートだった福田康夫以来の顔ぶれを思い出すと情けなくなる。 Wikipediaで、ざっと業績をおさらいしてみて、最近の竹島、天皇云々を思い合わせてみても、やはり立派な政治家…

『なぜ古典を読むのか』、『幻影の書』

なぜ古典を読むのか (河出文庫)作者: イタロ・カルヴィーノ,須賀敦子出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/04/05メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (18件) を見る幻影の書 (新潮文庫)作者: ポールオースター,Paul Auster,柴…

村山知義、花森安治、宮本常一、岡本太郎

世田谷美術館で開催中の村山知義大回顧展を覗いてきた。 大正から昭和初期、日本の前衛芸術の旗手であった人だそうだが、絵には特に強い個性は感じなかった。むしろ、ダンスパフォーマンスとか舞台装置など、演劇の方に貢献があった人ではないかと思う。 い…

不退転の覚悟

野田佳彦首相がこの日の夕方に臨時記者会見を開き、「‘毅然とした態度で’‘冷静沈着に’‘不退転の覚悟で’臨む」と述べたそうだ。 この一連の言葉に中身があるかどうかなんだけれど、考えるだけムダだとおもう。 そういえば、消費税増税の時も、‘政治生命を賭け…

「韓国‘被害者’アイデンティティーには未来がない」

ニューズウィークによると、韓国与党セヌリ党の次期大統領候補と目されている朴槿恵の選対本部長が、李明博大統領の竹島上陸について 「大統領府はポピュリズムに走っている」 と批判したそうだ。 発言の意図はどうであれ、すくなくとも‘反日’が‘人気とり’で…

‘嘘でいい’んですと

「近いうち」解散、「嘘でいい」 森元首相 :日本経済新聞はてなブックマーク - 「近いうち」解散、「嘘でいい」 森元首相 :日本経済新聞 上の発言の何がひどいかをいまから書こうとしている自分が情けないが、まずひとつは、こともあろうに、一国の首相が…

愛国という快楽

日韓「歴史問題」の真実 「朝鮮人強制連行」「慰安婦問題」を捏造したのは誰か作者: 西岡力出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2005/05/21メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 22回この商品を含むブログ (19件) を見る こないだ紹介したSAPIOには、「…

楽美術館ほか京都の美術館

五山の送り火の日を避けて、ということは昨日、京都にでかけた。 父は「焼き物なんて観てもしょうがない」というが、実のところ、クルマで行きにくいところには行きたくないのがホンネなんだろう。 ふだんなら新快速で京都駅におりるはずだが、前日の大雨で…

ネトウヨ亡国論

SAPIO (サピオ) 2012年 8/29号 [雑誌]出版社/メーカー: 小学館発売日: 2012/08/08メディア: 雑誌購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (4件) を見るネットと愛国 在特会の「闇」を追いかけて (g2book)作者: 安田浩一出版社/メーカー: 講談社発売日:…

カミーユ・ピサロ

お盆になると実家に帰って両親と美術館に行く。いつのまにか習慣になった。 今年は兵庫県立美術館で開かれているカミーユ・ピサロ展。 この美術館は、阪神淡路大震災のあと、いまの場所に移転する前、阪急王子公園駅がまだ西灘といっていたころに、よく訪ね…

「死刑弁護人」、『ブルックリン・フォリーズ』

ブルックリン・フォリーズ作者:ポール オースター出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2012/05/01メディア: ハードカバー ジャック&ベティで「汚れた心」を観た日曜日に、「死刑弁護人」も観た。安田好弘弁護士のドキュメンタリー。 この夏のジャック&ベティの…

「汚れた心」

「汚れた心」の伊原剛志はまったくすばらしかった。 情報が完全に遮断されている状況で、‘正義’の迷路に迷い込んで、自分を見失っていく人間の、研ぎ澄まされ、削ぎ落とされていく孤独が、映画全体に脈打つ。 太平洋戦争後、祖国からの情報が混乱するなか、…

談合宣言

消費税増税法案が通ってしまった。 これについてはちょうど1週間前に書いたことの後始末としても、一言触れないわけにはいかない。 先週書いたとおり、否決しさえすればもう解散だったのである。つまり、自民党は事実上解散権を手にしていた。これをみすみす…

『夜の国のクーパー』

夜の国のクーパー作者: 伊坂幸太郎出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2012/05/30メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 12回この商品を含むブログ (52件) を見る いろんな映画の原作者として知っている伊坂幸太郎を本で初めて読んだ。 なので、これを映像化…

歴史の天使

日曜日の続き。 夏らしい日だったのでちょっとまよったけれど、根津美術館からワタリウム美術館まで歩いた。わりかし日陰になっていたので助かった。 ワタリウム美術館は、キュレーターの目線が高いというか、熱いというか、反骨というか、ロックというか、…

近世の屏風、応挙の藤花図、蘆雪の赤壁図

日曜日は、根津美術館で「応挙の藤花図と近世の屏風」。 根津美術館のコレクションのなかでも、まちがいなく逸品のひとつであろう円山応挙の藤花図屏風。だが、今回の展覧会の魅力は、応挙の無頼の弟子、長澤蘆雪の赤壁図屏風が、それとともに出品されること…

「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」

土曜日の続き。 午後は新宿のK’sシネマで「ニッポンの嘘 報道写真家 福島菊次郎90歳」を見た。 報道写真家のドキュメンタリー。 映画だから、当然ながら絵が動いているのだけれど、福島菊次郎の撮ったスチル写真が画面に大写しになるたびに、それまでの…

東洋の白いやきもの と 仙がい

出光美術館で「東洋の白いやきもの」と「仙がい(‘涯’のさんずいのない字)」が併設展示されている。趣味のよいとりあわせ。 白磁、青白磁を中心に、朝鮮の熊川茶碗、日本の志野焼など、とにかく白いやきものだけで構成した展覧会。 以前、「白磁ってのは、…

谷垣自民党 大返し

谷垣自民党に反転の可能性が出て来た。というより、今をのがして再浮上の可能性があるだろうか。 自民党公明党をのぞく野党七党の内閣不信任案の提出はほぼ確実。また、8月1日には、小泉進次郎青年局長ら7人の同党若手議員らが、3党合意を破棄して増税法…

「エンディングノート」補遺

ナタリア・ギンズブルグの『ある家族の会話』と砂田麻美の「エンディングノート」は、娘が父を描いた実話で、小説と映画の違いはあるといえ、どちらもエンターテインメントとして受け入れられることを望んでいる点では似ているのかも。 家族への愛情をいった…

決める人

野田佳彦の政治姿勢を‘決める政治’などと評価している連中にいっておきたいのは、この男の‘決める政治’は今に始まったことではない。永田メール事件のときも、これを国会で取り上げると‘決めた’のはこの男で、その結果、永田議員は自殺に追い込まれた。 決断…