落語ブーム モーターサイクルダイアリーズ

私の中で、落語ブームである。といっても、落語にふれる機会はなかなかなないが、笑福亭鶴瓶のラジオに噺家が電話出演するので、噺家にふれる機会は多くなっている。笑福亭鶴瓶はこのところ、落語に取り組んでいて、師匠のおはこ「らくだ」も高座にあげた。

私の場合、落語がなつかしいのは、やっぱり大阪弁がなつかしいので、テレビに溢れている大阪弁は、ちょっとスイッチが違う。彼らの大阪弁は、私らが東京で大阪の友達にばったりあった、その時に、大阪弁でしゃべる、そういう大阪弁なのだ。笑福亭鶴瓶大阪弁は、松鶴が「ほんまの大阪弁」と太鼓判を押したくらいで、聞いていてほっとする。考えてみると噺家大阪弁は、少し滅びかけている大阪弁でもあるだろうか?米朝師匠のインタビューなど、引き込まれてしまう。

小林信彦さんは、志ん朝の噺を聞きにわざわざ名古屋の大須まででかけていた。これがおもしろいのだけれど、東京の会場には、ノートをとりながら聞いている「落語オタク」みたいのが多くて、気分がそがれるそうだ。東京という場所は、そういう宿命にはあると思う。全国からみんながワッと押しかけてきてしまう。その点大阪は楽だ。せいぜい西は岡山、東は三重くらいまでである。

落語に登場する江戸っ子を「ついでに生きている」と、小林信彦さんが評していたが、それは、噺家そのものにも言える事みたいで、笑福亭鶴瓶のラジオから時々電話をかける噺家連中の生態はじつにおもしろい。特に、ショウチョウ(どんな字を書くのか知らない)さんなんて、もう今年の仕事納めをしてしまった。ほとんど仕事をしないで、奥さんに食べさせてもらっている。奥さんはフリーアナウンサーをしている人だが、この人が、またよくできた女房。「芝浜」みたい。

思うに、男が頼りないから結婚できない、みたいなことをいっていると、味気ないんじゃないかなぁ。頼りない男側からいうことでもないけれど。

モーターサイクルダイアリーズ』をやっと読み終わった。はじめから人に読ませるつもりのものではないみたいで、分かりづらい。これをそのまま映画化するわけにはいかないだろうから、脚本は苦労しただろう。それに、モーターサイクルは、最初の三分の一で、壊れてるやん!