ザッピングというのか、寝覚ノ床でチャンネルを転々としていると、「12位 さそり座」という文字が飛び込んできた。ナレーションが「さそり座のあなた、ごめんなさい」という。朝からいきなり謝られても気分はよくならない。そのせいかどうか、マシントラブルの処理のため明日もでなきゃならなくなった。
さそり座が1位でも6位でもトラブルは起こっただろうが、こういう「意味のある偶然」といおうか、「シンクロにシティ」といおうか、そういうものを蹴散らすには、幸楽苑のラーメンと餃子。音を立ててすすったりするのがいい。
映画「幸せの黄色いハンカチ」で高倉健と武田鉄矢がラーメンをすするシーン。高倉健は一発OKだったそうだが、武田鉄矢は何度も撮り直されたそうだ。労働者はラーメンをすするとき鉢に手を触れない。そのことを高倉健は観察して役作りしていたというのだ。このはなしをラジオかで聞いたときは「そんなもんかなぁ」と思っただけだが、それからなんとなく鉢に触らない癖がついてしまった。
麺をすするとき音を立てるのは、マナーに反しない。日本人のアイデンティティーのために主張したい。というか、むしろあの音は食欲を刺激する。ほかにも水を飲み干すときに喉が鳴る音とか。あれが心地よくないなら、ラジオのCMなんかで使われるはずがない。
食べる音ではないが、包丁がまな板をたたくトントンという音、フライパンでモノをいためるジャーという音、瓶からグラスに酒を注ぐトクトクという音なども耳に心地よい。個人的には、ゲップがおならよりマナー違反というのは納得できない。わざとらしいゲップとか、内臓疾患だろっ!というようなのはともかく、ちょっとしゲップくらいは、満腹感の表現くらいにしか思っていなかった。西洋のテーブルマナーは、音を立てないのにこだわりすぎて、パントマイムみたい。あれでうまいんだろうかと思ってしまう。
占いを信じるのがばかげているとまで言わないが、それを毎朝テレビで流すのは馬鹿げている。二週間ぶっ続けで仕事なんていやになるな。