憲法12条が改められるとどうなるか?

 土曜日にデモに出たので、頼まれた休出を断ったのだけれども、月末だし、どうしてもというので、日曜日にひとりで出勤していたら、セコムが誤作動を起こした。
 要するに、誰か他の部署の人が、私が働いているのに気が付かないで、セコムをかけて帰ってしまったのだろう。
 無人であるべき場所に誰かいるってことになって、セコムが駆けつけた。わりとよくあることなのだ。ところが、今回はどういうわけか、警察官が5人もついてきていた。
 私ももう帰りかけていたところだったので、社員証を見せて、はいさようならで済むかとおもいきや、管理職に電話して何か揉め始めた。
 この手のことは、よくあるとは言わないけど、わりとあることだし、わたしは顔写真付きの社員証を見せてるんだし、管理職に電話した時点で、出勤の事実は確認できてるんだし、ごちゃごちゃ揉め始めた時点で腹が立ってきた。
 今から考えれば、前日のデモのこともあったと思う。ホントはウィシュマさんの妹さんがデモに参加する予定だったのだが、入管に見せられたビデオがあまりにひどくて精神的なショックを受けてしまい、ウィシュマさんの変わり果てた姿が頭から離れず、不眠症になって帰国してしまったのだった。入管の所業はほとんど人間の仕業と思えない。
 その上、伊藤詩織さんのレイプ事件を揉み消した中村格警察庁長官になったのにも腹が立っていたし、またそのレイプ事件の控訴審で、山口敬之がいけしゃあしゃあと、被害者を誹謗する陳述をするにも、バックに安倍元首相の力があるからなのは明らかで、そういうことが重なっている時に、警察官が偉そうなことを言うのにだんだん腹が立ってきたのだった。
 セコムのアラームが鳴って、不審者がいるかもって、駆けつけてきた。それはいい。しかし、わたしはもう社員証も出したし、上司に確認も取れている。それで、さらにまだ何か不満があるなら
「不審者を探せば?」
と言った。突っ立ってんじゃなくて建物の中を探せや。そうだろ。
「不審者がいるんだろ。探せよ。どこかにいるんだろ。」
すると1人の警官がわたしを見て
「あんた」と言った。私が不審者だと言う意味なのだ。
「俺はもう社員証みせただろ!」
と。
 頭にきていて気が付かなかったが、いつのまにか来ていた上司とセコムの社員と警官でまたごちゃごちゃ長話し始めたので、少し頭を冷やしてから
「謝罪は?。」と吹っかけてみた。しないに決まってるけど。別の警官に
「この人さっき俺のこと不審者扱いしたよね、聞いてたでしょ。」と。
その時にはもう鼻じらんでいて、勝手に会社を出た。私を不審者扱いした警官は引き止めたそうにしていた。もしくは、私が肩のひとつもぶつけないか待ち受けていたのかもしれない。
「とんでもねえな」と言い捨てた。「神奈川県警は」と言う言葉は口に出さなかったが、まあ実際セコムの誤作動だけでも、あの時私を逮捕しようと思えば、彼らはできたわけである。
 昔、野際陽子が言ってたけれども、駐停車禁止でも何でもない、路肩に停めた車の中で、旦那を待っていると、1人の警官が寄ってきて車を移動させろと言う。
「主人がすぐきますので」
それでも警官は移動させろと言う。それでちょっとした小競り合いになったそうだ。
「ここ駐停車禁止じゃないですよね。」
というと、警官は
「あんたを逮捕するなんて簡単なんですよ。」
と言ったそうだ。
 日本の警察とはそういう組織なのである。高市早苗が「憲法12条の”公共の福祉”を、”公益及び公の秩序”に変更すると明言」したそうだが、行政の現場ではすでにそれが行われているからこそ、ウィシュマさんや伊藤詩織さんのような事件が起こるのだ。政治はむしろ権力の暴走を抑える方法をこそ考えるべきなのはいうまでもない。
 安倍元首相が「新しい公共」と言い出したことがあった。何のことかとよく聞くと、単に新しい公共工事のことだった。おぞましい。

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