2009-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ボローニャ紀行

ボローニャ紀行作者: 井上ひさし出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/02/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (21件) を見る乱読には乱読の功徳というものもたしかにあって、乱読家の書棚の中で奇妙な出会い方をする本がある…

人生のちょっとした煩い

人生のちょっとした煩い (文春文庫)作者: グレイスペイリー,Grace Paley,村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2009/06/10メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 28回この商品を含むブログ (32件) を見る『最後の瞬間のすごく大きな変化』につぐ村上春樹訳…

シェルピンスキーの森

先日、ササヤキグサの葉っぱがフラクタルだとか、適当なことを書いたが、ほんとのフラクタルを利用したヒートアイランド対策が実用化されつつあるようだ。 「フラクタル」のひとつ「シェルピンスキー四面体」を利用した、京都大学の酒井敏教授考案による「フ…

村上龍と中上健次、サルサとレゲエ

サルサの映画を観たわけだけれど、村上龍と中上健次がサルサとレゲエについて対談していたことがなんとなくわかってきた。 中上健次はレゲエをとり、村上龍がサルサをとる。それは中上が 「サルサで同士結合とかはむずかしいと思うんだよ。レゲエでいうと、…

レオナール・フジタのガダルカナル

常設展に三岸好太郎の蝶とレオナール・フジタのガダルカナルがあった。 レオナール・フジタの戦争画は、オットー・ディックスと比べると、やはり「手触り」がない。その意味では乳白色の裸婦の方がずっとよい。あるいは、1949年の「カフェ」とか。 「世…

イープラス

土曜の「ゴーギャン展」のチケットは、すごく混むだろうと予想したのでイープラスで買った。チケットぴあは手数料があほらしくて嫌いなのだけれど、イープラスはセブンイレブンで受け取れば、手数料がかからないとわかった。出かける前に家のパソコンで買っ…

絶妙ハンバーガー

ロッテリアの「絶妙ハンバーガー」は、ほんとにちょっと旨いのではないかと思いつつある。二回食べたうち一回は旨かった。 きのうはすごくいい天気で暑かったのだけれど、なんとなく歩いてみたくなる暑さで、ひとけのない日曜の午後をさがみ野まで歩いた。さ…

美しきアジアの玉手箱 − シアトル美術館所蔵 日本・東洋美術名品展

キリンとの合併が話題になっているサントリー美術館。スターバックスが協力しているのは、シアトル美術館ということと何か関係あるのだろうか。 目玉になっている「烏図」は、こういうものが誰が描いたかわからないというのが私たちの国の絵のあり方をよく示…

「エル・カンタンテ」

わたくし、音楽に関して自分にテイストがないことがわかっているので、音楽の映画があるとつい引き寄せられてしまう。 「エル・カンタンテ」は、サルサの声と言われたエクトル・ラボーの代表曲のタイトルでもある。 ジェニファー・ロペスが立ち上げたニュー…

ゴーギャン展

「オヴィリ」と名付けた彩色石膏像がある。ゴーギャンはそれを自分の墓碑に使おうと考えていたこともあるそうだ。 全体にこげ茶色だし、小さな虫食い穴のようなものが見えたので、わたしは木彫かと錯覚した。 犬が腰のあたりにじゃれ付いてくるのを両腕でお…

ゴーギャン展、「エル・カンタンテ」、シアトル美術館

へうげもの(9) (モーニング KC)作者: 山田芳裕出版社/メーカー: 講談社発売日: 2009/07/23メディア: コミック購入: 9人 クリック: 150回この商品を含むブログ (112件) を見る

「不起訴不当」

東京第3検察審査会は21日付で、政治資金規正法違反容疑で告発された二階氏の秘書を不起訴(嫌疑不十分)とした東京地検特捜部の処分(6月26日付)について「不起訴不当」と議決した。 http://mainichi.jp/select/jiken/nishimatuuragane/news/20090722…

上杉隆

ダイアモンドonLINEの上杉隆の記事。 ↓ http://diamond.jp/series/uesugi/10087/

オットー・ディックス補遺

http://d.hatena.ne.jp/knockeye/20090720に書いたことの続き。 オットー・ディックスの図録をもう少し読んでみて、ちょっと発見があったので記す。 「ドレスデンの伝記作家フリッツ・レフラーに、ディックスはこう語っている。 『過去の人びとの戦争画は、…

ラブ&ポップ

ラブ&ポップ―トパーズ〈2〉 (幻冬舎文庫)作者: 村上龍出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 1997/12/01メディア: 文庫 クリック: 20回この商品を含むブログ (35件) を見る『トパーズ』は短編集だったが、この『トパーズ2』は長編、といっても、夏目漱石の小説に…

戦争と版画家−オットー・ディックスと北岡文雄

町田市立国際版画美術館は初めて訪ねた。行きかたがわかったのでこれから時々訪ねてもよい。 オットー・ディックスの展覧会は昔見たことがある。図録を買っておくとこういうときに便利。1989年のお正月ごろに兵庫県立美術館で見たようである。二十年も前…

メキシコ20世紀絵画展

世田谷美術館で「メキシコ20世紀絵画展」。 レオナール・フジタは1931年から33年にかけてパリを離れ、南米各国を歴訪している。メキシコにも半年近く滞在し、パリで親交のあったディエゴ・リベラに再会、メキシコの壁画に刺激を受けたと思われる。 フ…

「扉をたたく人」

展覧会を観終わってちょうど上映時間があったので、恵比寿ガーデンシネマで「扉をたたく人」。 ブッシュ時代に始まったアラブ人たちに対する虐待について、アメリカ人がどう感じているのかということを少し知りたくて。 この映画の原題は「the Visit…

ジョルジュ・ビゴー展 碧眼の浮世絵師が斬る明治

上の展覧会と同時開催されている。 ビゴーの絵をまとめて見ていて、私はなんとなくドーミエのことを思い出した。 来日する以前のビゴーはようやく頭角を現し始めていた若き挿絵画家だった。しかし、彼の画業を振り返ってみると、やはり、明治の日本を世界に…

コレクション展「旅」第2部「異郷へ 写真家たちのセンチメンタル・ジャーニー」

旅に出るときは必ずカメラを持っていく。旅と写真の結びつきは古い。 この写真展は、70〜80年代に発表された写真家たちの旅の作品をあつめている。 国鉄の「ディスカバー ジャパン」というキャンペーンが行なわれたのは、1970年だそうだ。コンセプト…

鴻池朋子展インタートラベラー神話と遊ぶ人

会場入口のソファに、少年の下半身がすわっている。紺の半ズボン、赤い運動靴。 半ズボンから出た少年の脚は、この作家が好んで使うモチーフのひとつだ。 地球の内部へと降りていく、胎内めぐりのような構成になっていた。鑑賞者を飽きさせないサービス精神…

鴻池朋子、センチメンタルジャーニー、ビゴー、「扉をたたく人」

この夏行くかもしれない美術展

柳 宗理展 横浜美術館 〜8/31 海のエジプト展 パシフィコ横浜 〜9/23 ベルナール・ビュフェ 横浜そごう 7/29〜8/31 デュフィ 鎌倉大谷記念美術館 〜9/26 コレクション展「旅」第2部「異郷へ 写真家たちのセンチメンタル・ジャーニー」 …

ササヤキグサ

私の背丈よりはるかに高いササヤキグサも見つけた。 株の下のほうでは、もう花が終わり実になっている。 ササヤキグサは、またチャンパギクとも呼ばれ、ベトナムあたりから来た外来種だと思われていたこともあったらしい。でも、実は在来種なのだそうだ。 つ…

杉村太蔵

杉村太蔵が「SPA!」にコラムを持っている。 「小泉元総理が郵政解散を断行した前回の衆院選は、後に『劇場型政治』と揶揄されたりもしました。 しかし、今の自民党執行部がやっていることは何でしょうか。」 東国原宮崎県知事をめぐるあれこれのことを言…

小林信彦のコラム

今週の週刊文春の小林信彦のコラムはうれしいことに「ディア・ドクター」。 こういう風に書くんだなぁ、映画評って、という感じ。 でも、気になったのは、 「・・・ぼくが観た映画館は音が悪く・・・」 と書いてあったこと。 実は、私が見たときもそうで、か…

ヒュウガ・ウイルス

ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界 2 (幻冬舎文庫)作者: 村上龍出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 1998/04/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 20回この商品を含むブログ (38件) を見る最近、村上龍をキャッチアップするみたいな読書になっている。 この小説…

タケニグサ、ササヤキグサ

職場の裏の緑地に、ウィリアム・モリスが壁紙にでも使いそうな、凝ったデザインの植物が生えている。 葉っぱは大きくて裏白、ぎざぎざはフラクタルな感じに入り組んでいる。花は線香花火をさかさまにしたような可憐さで、時間と重力の両方向へ、白から茶色へ…

ディア・ドクター

私たちは今、単に少子高齢化というだけではなく、「頽廃した」とはとてもいえないし、「成熟した」とまでいっていいかどうかはわからないものの、ひどく老成した社会に生きている。 あやふやな正義を声高に叫んだり、これ見よがしに不正を暴き立てたりするこ…

「ノウイング」

ニコラス・ケイジとトム・ハンクスは、彼らが出演しているだけで観にいく値打ちのある役者だと思っている。 しかし、漏れ聞くところ、ニコラス・ケイジは、ときどき日本で公開されない作品があるらしい。とくに、「ウエザーマン」はどういうわけで日本で公開…