クラック

ひざし

直径20センチ、高さ25センチほどの耐熱ガラスの筒があったとしよう。それがある薬品に浸かっている。その薬品を捨てるためにガラスの筒を持ち上げると、ヒビが入っているのが目に付いた。「あれ?ヒビが入ってるな」と、見ているうちに目の前でパリンと割れた。私も信じられないが、私以外の人間はさらに信じない。口では言わないが、絶対私が割ったと思っているのである。
mirror cracked side to side という英語を学生時代に習った。このところの不運続きをまさに象徴している。こういう時は厄落としにぱーっと散財してしまったらいいのだが、いかんせん一億当たる予定だった宝くじが1万円どまりだったので、散財するほど財もない。
富山に行っていた新人が帰ってきた。意外なことに晴れていて、立山がよく見えたそうだ。重い雲の蓋がとれて、ときたまに晴れ渡ると、確かに立山の眺めは美しい。滅多に晴れないのだから、たまの晴れ間にはあのくらいの眺望を見せてくれてもバチは当たらないだろうと思う。
ちなみにどのくらい晴れないのかというと、私がロシアから帰った年、2002年の10月は一ヶ月のうち半日しか晴れなかったと記憶している。もちろん、これは記録だった。