能町みね子が岡村隆史の舌禍炎上について何か

週刊文春 2020年 5/21 号 [雑誌]

週刊文春 2020年 5/21 号 [雑誌]

  • 発売日: 2020/05/13
  • メディア: 雑誌

 週刊文春能町みね子岡村隆史の例の発言について書いていた。
 もはやネット上ではタイムリーな話題ではないのだろう。しかし、あれだけ叩きまくって二週間でもうどうでもいいはひどいと思う。まだこれについて書いている週刊誌の感覚の方がまともに思える。
 能町みね子さんが言っていることを私なりにまとめると三つ。
 ひとつは、何はともあれ「オーバーキル(過剰な追い込み)」だということ。
 ふたつめは、これがいちばん重要だと思うが、そもそも岡村隆史をバッシングしている側の論理にセックスワーカーに対する差別が潜んでいるのではないかということ。
 みっつめは、ほぼ同時期に、政治家の馳浩が、リアルにセクハラをして、まともに謝罪もしていないのに、そっちよりこっちかよ?、ってこと。
 個人的に、この問題はもう何度も書いているので、なるべく繰り返しを避けるが、この能町みね子さんの意見については、ひとつめがすべてだと思う。彼らが引用している藤田孝典というひとの「発言」を読むと「異常な発言」「最悪レベルの下劣さ」「公共性を鑑みて深夜ラジオなど自粛したらいい」「NHKは出演番組の構成も含めて処遇を検討してほしい」と、個人的にはどっちが異常なのかわからない執念深さだと感じる。
 いずれにせよ、深夜ラジオのただのジョークですよ。たぶん深夜の2時すぎてたと思いますよ。能町みね子さんは「擁護できない発言」と書いているけれど、そもそもジョークって「発言」なんでしたっけ?
 「ミルクボーイは昨年のM1において『コーンフレークは朝しか食えない』と発言した」って言います?。私は違うと思いますけどね。
 「背景にコロナによる貧困があることを彼は分かりながら、その苦しい立場に思いを寄せるわけでもなく」って、いやいや、私の記憶では、「だいたい自粛明けの3週間くらい、可愛い嬢がこづかい足らんようになって出てきますから」と言ってたと思いますけどね。それを「コロナによる貧困」って言い換えるのは、悪意としか思えない。
 というのは、自粛もまだいつ明けるか分からないって状況で、リスナーが「風俗にも行けない」ってメールを送って来たに対するリアクションだったんだから、あの時点では、自粛が明けること自体が雲をつかむような話、ましてや、その時点で、風俗嬢がどうたらこうたらは、まったくのホラ話ですよ。
 それを真に受けて、「コロナによる貧困」って。コロナによる貧困は風俗嬢に限ったことではないのに、なんで風俗嬢だけかわいそうなの?。その感覚こそおかしくないですか?。しかもそれ、そもそも架空の話なんですよ。具体的な被害者はひとりもいないのよ。それを「公共性を鑑みて深夜ラジオなど自粛したらいい」?。「深夜ラジオなど」?。
 これって要するに、この藤田孝典って人が、風俗嬢も、深夜ラジオのリスナーも、お笑い芸人も、すべて下に見てなかったら言えない発言なんじゃないの?。
 で、この藤田孝典って人の肩書が「生存のためのコロナ対策ネットワーク共同代表」なんだそうです。呆れました。