2017-01-01から1年間の記事一覧

『サイコパス』

サイコパス (文春新書)作者: 中野信子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2016/11/18メディア: 新書この商品を含むブログ (11件) を見る この本はすごいベストセラーになってるみたい。 サイコパスって言葉はもともと犯罪捜査の現場で、ちょっと、ふつう私た…

「メッセージ」と「美しい星」はセットで見るべき

「ターシャ・チューダー 静かな水の物語」という映画を観ました。 アメリカ映画なのかと思いきや、鈴木ゆかりってひとがプロデュースして、松谷光絵ってひとが監督した、KADOKAWA配給の日本映画だった。 ターシャ・チューダーは92歳で亡くなるんだ…

総理のご意向は事務次官のご威光ではないのか

日本の役人には反吐が出る。 共産党がどこかから手に入れてきた文科省の「総理のご意向」云々の文書が「ホンモノです」と証言する前川前事務次官って人が現れたんだけど、この人、憂国の改革官僚かと思いきや、天下りあっせんがばれて首になった責任者なんだ…

共謀罪と天皇生前退位をめぐるリベラルの不在について

共謀罪成立はテロ対策は表向きの理由で、実態はただ警察権力をフリーハンドにするだけのことである。国会前でデモとかやってる人たちに言いたいけれど、こうなってから騒いでももう遅いので、民主党政権成立の経緯ですでに、かなり露骨な警察権力の政治介入…

「家族の肖像」

ルキーノ・ヴィスコンティ監督の「家族の肖像」デジタル完全修復版を観ました。 川崎アートセンター アルテリオ映像館っていう名画座っぽいところで「午後8時の訪問者」っていう「サンドラの週末」を撮った監督の映画と一緒に観たんだけど、そうやって見比…

共謀罪法案成立には捜査の完全可視化が不可欠

共謀罪が、国家主義者と日蓮主義者の賛成で法務委員会で可決された。悪夢の再放送である。 共謀罪がもし成立すると何が問題なのかといえば、市民が権力を抑止する力と、権力が市民を統制する力のバランスが崩れることだ。官憲の力が強くなりすぎる。 アメリ…

残業はそもそも「働き方」の問題ではない

働き方改革とか最近なんか話が変な感じなのでひとこと書いとこうと思って。 とはいえ、言いたいことは単純。残業は管理側の問題で、労働者側の問題ではない。それだけ。あたりまえなんだけど、話を聞いてると、なんか残業が現場の自由裁量で何とかなるみたい…

「マンチェスター・バイ・ザ・シー」他

ようやく長時間座っても大丈夫と思えるようになったこともあり、今週末は4本の映画を観た。 「マンチェスター・バイ・ザ・シー」、「パーショナル・ショッパー」、「スプリット」、「アシュラ」。 この中では、「マンチェスター・バイ・ザ・シー」がダント…

マスコミはとっくに日本会議に懐柔されている

文藝春秋 2017年 05 月号 [雑誌]出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2017/04/10メディア: 雑誌この商品を含むブログ (1件) を見る 無意識にか意識的にか、マスコミの報道に携わっている方々は、自分たちが書いた記事で世論を誘導して、大衆を扇動できるつもり…

劣化していく「リベラル」たち

先日の週刊現代に青木理のエッセーがあり、「共謀罪成立は『平和ボケ』だ」とか書いていた。 意見そのものには特に反対しないが、「平和ボケ」などと古色蒼然とした表現が、はたして今更「有効」なのか疑問に思う。「平和ボケ」という言葉は定義のはっきりし…

「カフェ・ソサエティ」

なんだかんだいってうちはサービス業なので、GWはすごく短い。が、そういうところも今の職場はすごく合っていて、じつのところ、私自身はGWにこれといった思い入れがなく、まあ、いい季節ではあると思うが、なにも国中でいっせいに休まなくてもいいんじ…

日本、家の列島

日本、家の列島作者: ヴェロニック・ウルス,ジェレミ・ステラ,マニュエル・タルディッツ,ファビアン・モデュイ,パナソニック汐留ミュージアム出版社/メーカー: 鹿島出版会発売日: 2017/04/13メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る パナソニック…

民進党、噫々

神奈川新聞を読んでたら、日本ペンクラブが共謀罪に反対表明したって記事があり、森達也っていう3.11の映画を撮った人の文章が載ってた。 ネットにもあるので読んでもらえればよいのだけれど、これ。↓ 【特集】〈時代の正体〉立ち上がる日本ペンクラブ …

『終わりの感覚』

終わりの感覚 (新潮クレスト・ブックス)作者:ジュリアン バーンズ発売日: 2012/12/01メディア: ペーパーバック ジュリアン・バーンズがブッカー賞を獲った『終わりの感覚』は、映画化されるそうなので、原作も読んどこうと。 現代のイギリスが舞台で、60年代…

安倍昭恵たたきを国民が応援しているとでも?

いま、民進党という政党の最大の関心事は、安倍昭恵叩きらしい。 安倍昭恵って人が、公人だろうが私人だろうが、少なくとも政治家ではない。政治家の嫁さんにすぎない。なので、政治的な権限は一切ない。なので、もし、政府職員が安倍昭恵氏に同行したなり、…

鎌倉、心字池、海蔵寺、光則寺

鎌倉の桜はたぶん先週が満開だったろうけれど、先週末は寒の戻りで冬のような寒さだった、だけでなく、北陸の冬みたく、まるで夜が明けきらないかのどんよりと厚い雲が終日空を覆って、まだ歩くのに難儀する体を引きずって、出かけようとは到底思えなかった…

テオドール・シャセリオー

今、オルセー美術館があるところには、もともとナポレオンが建てたオルセー宮があって、紆余曲折を経た後、会計検査院が使用していた。その大階段を飾る壁画を描いたのがテオドール・シャセリオーだった。19世紀に独力で描いた壁画として最大のものだった…

長嶺大使の帰任について

長嶺韓国大使が帰任した。これは、緊張する北朝鮮状況に対応すべく日米韓同盟の一員として当然あるべき態度なのでそれはそれでよいのだけれど、くどいようだけれど、前から何度も書いているように、北朝鮮問題については、日本は六か国協議とは別に、単独で…

東京国立博物館でお花見

実は、週末だけ入院していた。ぎっくり腰は癖になっているが、だんだん頻度があがり、今回のは重篤だった。上野の東京国立博物館で発症したのもまずかった。そこから上野駅までは歩けたし、上野から新宿までもたどり着いたが、ロマンスカーの座席で揺られた…

オルセーのナビ

三菱一号館美術館で開催されている「オルセーのナビ」展はこの春のおすすめ。 ナビ派の研究は最近ようやく盛んになっているらしい。 ポール・ゴーギャンをナビ派というかどうか、すくなくとも少し前まではゴッホとともに「後期印象派」とか言われてた。マネ…

2017東京モーターサイクルショー

何年かぶりに東京モーターサイクルショーに行った。おそろしく寒かったが、おかげで少しは混まなかったのかもしれない。 関東に来た最初のころは、キャンギャルの写真なんかを面白がってたものだが、二年とたたず飽きてしまった。というのは、はっきりいって…

春木径

今年はまた桜を追いかけてみようかなと思っている。例年に比べて、みのがしたくない映画や展覧会が少ないので。「人類遺産」って映画を観たけど、ただの廃墟写真集だった。あれだったら「残されし大地」の方をお勧めしたい。どっちもシアターイメージフォー…

古唐津

「お嬢さん」は、アジアなんとかで賞を総なめしたみたい。「コクソン」はグランプリだったかな。浅野忠信が「淵に立つ」で主演男優賞を獲たのは喜ばしい。「淵に立つ」はそうとうよかったと思う。 「お嬢さん」は日比谷シャンテで観た。上映まで時間があった…

一の堰 春めき桜

春めき桜って桜は、たぶん、関東のこのあたりにしかない桜らしいが、ほかの桜とちがって花の香りがつよい。今日、お花見に来ていた人が「なんか目の悪い人も楽しめるように開発されたらしいよ」とか話していた。ほんとかどうか知らないが、信じたくなるくら…

河鍋暁斎

ヨーヨー・マの映画をル・シネマで観たついでなので、地下のザ・ミュージアムで開催されている河鍋暁斎の展覧会ものぞいてみた。 河鍋暁斎については、おととし三菱一号館であった大きな回顧展を観て失望した。 河鍋暁斎は歌川国芳の弟子だが、同じく弟子の…

朴槿恵 弾劾

韓国映画を観たついでってわけでもないが、朴槿恵が大統領を辞めさせられたね。 「韓国民主主義の輝かしい勝利」みたいな書き方を、ファイナンシャル・タイムズがしてましたが、しかしながら、朴槿恵を選んだのも自分らじゃないですか?。 法的手続きを経た…

「哭声」、「お嬢さん」

どういうわけか韓国映画の一日。しかも、「コクソン」は156分、「お嬢さん」は145分。 「コクソン」は、エクソシストみたいでもあり、ゾンビっぽくもあり、鈴木清順みたいでもあり、黒沢清みたいでもあった。 私が知らないせいもあるかも知らないけど…

『なかなか暮れない夏の夕暮れ』

なかなか暮れない夏の夕暮れ作者:江國香織発売日: 2017/02/10メディア: 単行本 江國香織の新作。ナボコフの『賜物』以来、なかなかよい小説に出会わなかった気がするけど、江國香織はさすが。『抱擁、あるいはライスには塩を』と同じく、風変わりなお金持ち…

「ヨーヨー・マと旅するシルクロード」

Bunkamuraル・シネマで「ヨーヨー・マと旅するシルクロード」。ヨーヨー・マが2000年に立ち上げたシルクロード・アンサンブルの現在までの軌跡を丹念に追ったドキュメンタリー。監督は、「バックコーラスの歌姫たち」のモーガン・ネヴィル。 ヨーヨー・…

パロディ、二重の声 ――日本の1970年代前後左右

東京ステーションギャラリーで「パロディ、二重の声 ――日本の1970年代前後左右」って展覧会がやっとるんですわ。 それで、ハッと気が付いてみると、いつのまにかパロディの時代が終わってるね。これって誰かが考えてみたことがあったんだろうか?。全然気に…