2019-01-01から1年間の記事一覧

五島美術館「筆墨の躍動」と静嘉堂文庫美術館「入門 墨の美術」

伝 周文≪四季山水図屏風≫(左隻)伝 周文≪四季山水図屏風≫(右隻) 静嘉堂文庫美術館の、伝 周文≪四季山水図屏風≫は、三年がかりの修復後初公開であるそうだ。たぶんこれだけでも見に来る価値がある。 同じく、周文筆と伝来した≪山水図≫も修復後初公開。≪山…

ニューズウイーク日本版のキャロル・グラックとヤン・ヨンヒの文章が面白かった

Newsweek (ニューズウィーク日本版) 2019年9/24号[日本と韓国 悪いのはどちらか]出版社/メーカー: CCCメディアハウス発売日: 2019/09/18メディア: 雑誌この商品を含むブログを見る ニューズウィーク日本版は、慰安婦問題について、偏りのない記事を積極的に…

「ジョアン・ジルベルトを探して」

「ジョアン・ジルベルトを探して」は、ボサノバの創始者(これについては昔『ヴィニシウス』という映画でヴィニシウス・ヂ・モライスがそうだと聞いていたが、モライスは、作詞家で、歌とギターはジョアン・ジルベルトだった。)のジョアン・ジルベルトを探…

コートルード美術館展

昨日、「円山応挙とコートルード美術館展」と題して書き始めて、円山応挙だけ書いて寝てしまったので、今日は、コートルード美術館展について書く。 といっても、何を書くということもないので、一緒にするつもりだったのであるが、寝てしまったのでしょうが…

円山応挙とコートルード美術館展

≪大石良雄図≫円山応挙 東京芸術大学大学美術館では、いま「円山応挙から京都画壇へ」という展覧会が開かれている。 円山応挙の展覧会でいえば、今でも思い出すのが、三井記念美術館が2010年に企画した大規模な回顧展で、所蔵の≪雪松図≫をはじめ、今回の大乗…

『命みじかし、恋せよ乙女』が驚くほどよかったのでご報告

樹木希林の遺作となったこの映画だけれど、遺作や絶筆がよいとはかぎらないし、ポスターに女ものの浴衣を着ている白人男性が写っていて、大丈夫か、このJAPANな感じはと、躊躇していたが、ちょっとびっくりするほどよかったので、とりあえずご報告する。 海…

伊集院光の修学旅行

JUNKで伊集院光が修学旅行の話をしていた。 不登校だったんだけど、親御さんが修学旅行だけは行く手はずを整えたんで、とりあえず参加したんだそうだ。 「京都に行ったんだけど、もう、そのとき噺家の修行とか始めてたから、京都なんか何べんも行ってる…

伊庭靖子展、三国志展

東京国立博物館で開かれている「三国志展」はすごい人気。ただ、これは、日本人に人気であるだけでなく、中国人に人気みたい。「顔真卿展」のときは、現在、中華人民共和国になく、中華民国でしか見られない書の数々が観られるということと、春節に時期が重…

『ベニスに死す』

午前10時の映画祭で『ベニスに死す』。『ベニスに死す』でタージオを演じたビヨルン・アンデレセン トーマス・マンの原作を翻訳で読むカタカナの「ヴェニス」よりも、ルキノ・ヴィスコンティの映画の浜辺から、主人公の眺めている、波がきらめく午後の海の…

Trumpian paradise of low immigration rates ,as a dying country

www.washingtonpost.com 前の記事を書いた直後にこのワシントンポストの記事がTwitterで流れてきました。 韓国はもうどうでもいいので、こっちを何とかしないと。せっかく1万人も人が来てくれてるのに、何で追い返してるの?。

難民を受け入れるべき

韓国人が日本人を殴ったとかで、熱くなってる人も多いらしいが、こちらの事件は、日本の国家公務員が外国人を暴行しているわけで、私たち日本人にとっては、こちらの方がはるかに問題だし、恥ずかしいと思う。「別の職員は、私の鼻と口を塞ぎ、私は息ができ…

技術大国と言われた昔もあったなぁ

運転手が爆睡したまま走行するテスラ車が撮影される。怖すぎ pic.twitter.com/q9dpkTly10— 世界の未来予測 (@KininaruMirai) 2019年8月31日 アメリカでは、クルマで居眠りしていられるのに、 衝撃音そして黒煙、京急脱線事故 列車とトラックが衝突し脱線 日…

太田喜二郎と藤井厚二 の展覧会 目黒美術館にて

目黒川がすっごい臭い。桜の盛りにカヌーとか漕いでる人がいるのが信じられない。この川の汚さが、東京の民度なんだなと思う。情報として消費されるだけの、誰にも愛されない川。誰ともつながってない町。 目黒区美術館で「太田喜二郎と藤井厚二 -日本の光…

韓国みたいな国とどう付き合うかが、つまり、外交でしょ?

この8月29日に、文在寅韓国大統領が「一度反省を口にしたから終わったとか、一度合意したから全て過ぎ去ったと終わらせることができる問題ではない」と徴用工問題について演説したそうである。 これの何が間違っているかというと、まず、その一は、辛坊治郎…

『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』をレイトショーで観た

ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』を地元のレイトショーで観た。 朝から映画を一本観て、美術館を二軒まわった時点で東京にいたので、近くの映画館で観られるかしらむと検索した結果、東京で…

『アートのお値段』

アートのお値段 The Price of Everything オノ・ヨーコは「アートは、生きるに必要な遊びだ」と言った。 そのアートを売り買いするのは、「遊び」の一部分なんだと思う。 ジェフ・クーンズが自作について話す映像がある。そのあとで、誰だったかが、彼はまる…

そうはいうけど「問題の根底」は掘っていくとキリがないって話 石破茂のブログを読んで

韓国政府が日韓の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決めたことについて、自民党の石破茂元幹事長がブログに 「 我が国が敗戦後、戦争責任と正面から向き合ってこなかったことが多くの問題の根底にあり、それが今日様々な形で表面化しているよう…

『『正法眼蔵』を読む 存在するとはどういうことか 』 を読みました

『正法眼蔵』を読む 存在するとはどういうことか (講談社選書メチエ)作者: 南直哉出版社/メーカー: 講談社発売日: 2008/07/11メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (7件) を見る 南直裁の『超越と実存「無常」をめぐる仏教史』は名著だった。…

『禁断 二・二六事件』と「海軍極秘文書」と『拝謁記』

禁断 二・二六事件作者: 鬼頭春樹出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/02/25メディア: 単行本 クリック: 8回この商品を含むブログ (1件) を見る お盆前に、鬼頭春樹の『禁断 二・二六事件』を読み終わっていて、お盆が明けたらブログに感想を書こうと…

『JKエレジー』と『そうして私たちはプールに金魚を、』を比べてしまった

「おまえは大学行って金持ちになるんだろっ、このカネ持って逃げろ!」みたいなセリフがリアリティーを持っていいのか?っていう危機感。 そういう貧富の差がドラマになりえたのって吉永小百合とか、そういう時代でもう終わったと思ってた。遅くとも、故・佐…

『ニューヨーク公立図書館 エクス・リブリス Ex Libris: The New York Public Library』

フレデリック・ワイズマン監督の『ジャクソンハイツへようこそ in Jackson Heights』を、去年観てそのスタイルに魅了された。ナレーションは一切入らない。 この映画も、エルビス・コステロは、「Elvis Costello」と書いたパンフを手にしていたからわかった…

『東京裁判』4Kデジタルリマスター版

あつぎのえいがかんkiki 小林正樹監督は、もともと1970年に、東京裁判を題材にした劇映画を企画していて、脚本も書き上げていたそうなんだけれど、キャスティングと予算の問題で実現しなかった。 その小林正樹がこのドキュメンタリーを撮ることにな…

夏らしい展覧会をいくつか

あんまり大きく話題にはなっていないけど、日本の夏らしい気分になれる展覧会をいくつか紹介したい。 ひとつめは、太田記念美術館と戸栗美術館が共同で企画している「青のある暮らし」。 今気が付いたけど、太田記念美術館の方はもう期間がおわってる。戸栗…

『よこがお』を『淵に立つ』とくらべてみたくなる

よこがお 『淵に立つ』の深田晃司監督が、また筒井真理子で映画を撮った。『よこがお』は、また筒井真理子だから、どうしても『淵に立つ』とくらべてしまう。 というか、『よこがお』をみながらも『淵に立つ』を思い出してしまうのですよ。 『淵に立つ』は、…

吉本おわったな

山里亮太によると、吉本興業の岡本昭彦社長は、七月22日の記者会見の間、女子高生と中身が入れ代わっていたそうだ。 あながちないこともないなと思わせるぐだぐだぶりだったのだが、にもかかわらず、辞任せずに居座るつもりなのに驚いている。 逆に言えば…

『天気の子』にうちひしがれる

映画はよく観る方だけど、アニメはあまり観ない。 アニメは全編これ絵なわけだから、全く個人的な好悪にすぎないが、ダメだこりゃっていう絵を2時間見せられるのは苦痛。 そういう人間にとって、宮崎駿引退と同時に立ち現れた『君の名は。』は、イチロー引…

メスキータ 於 TOKYO ステーションギャラリー

これなんか大友克洋かと思いません?。≪ヤープ・イェスルン・デ・メスキータの肖像≫サミュエル・イェスルン・デ・メスキータ サミュエル・イェスルン・デ・メスキータが1922年に描いたご子息の肖像画で、しかも、木版だそうです。まるで、スクリーントー…

梅雨はVividな服を着る

七夕なのにえらく寒いのは「令和」っていう元号のせいなんじゃないか、とかいってたのに、いつのまにか、いつもどおりの蒸し暑い日々。 で、たぶん、みなさん夏服に着替えてると思うんだけど、ちょっとした豆知識、梅雨空に夏服は映えない。 特に、白いシャ…

ジュリアン・オピー展 at オペラシティアートギャラリー

オペラシティアートギャラリーでジュリアン・オピーを観てきた。 展覧会で撮った写真を見ていて、この写真とオペラシティアートギャラリーこの絵が似て見えることに気が付いた。walking in Boston っていうことは、19世紀のパリの女たちがみんなルノワール…

『Girl/ガール』観ましたです

ちょっと話題になっているかもしれない『Girl/ガール』というベルギーの映画。 ノラ・モンセクールという、実在のトランスジェンダーのバレリーナをモデルにしている。 主人公のララを演じているビクトール・ポスターは、ロイヤル・バレエ・スクールの…