朝日のようにさわやかに

朝日のようにさわやかに作者: 恩田陸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/03メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 8回この商品を含むブログ (89件) を見る恩田陸の短編集。 この人は体質的に長編小説家であるらしい。 ちまちましたことが嫌いなんじゃないだ…

中庭の出来事

中庭の出来事作者: 恩田陸出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2006/11/29メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 15回この商品を含むブログ (112件) を見る先日アップした池口史子の絵は「中庭」とという題。絵葉書がなかったのでポスターを買った。 恩田陸は読む…

乱視読者の英米短篇講義

乱視読者の英米短篇講義作者: 若島正出版社/メーカー: 研究社発売日: 2003/07/11メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 21回この商品を含むブログ (20件) を見る昼休み、あまり他の部署の人が利用しない、洗浄室のドアから建屋の裏に出て、自…

エレンディラ

エレンディラ (ちくま文庫)作者: ガブリエルガルシア=マルケス,鼓直,木村栄一出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1988/12/01メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 61回この商品を含むブログ (148件) を見る夜勤明けの土曜日をいかに過ごすか。これは、健康管理…

不連続の世界

不連続の世界作者:恩田 陸出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2008/07メディア: 単行本最近のアメリカ映画について、小林信彦が「こんなにアイデア不足の時期はなかったと思います。」と書いている。 「いずれにせよ、映画のネタがない。だから、子供向きの「××…

『風味絶佳』と、『青春ピカソ』

風味絶佳 (文春文庫)作者: 山田詠美出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2008/05/09メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 13回この商品を含むブログ (48件) を見る青春ピカソ (新潮文庫)作者: 岡本太郎出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2000/06/28メディア: 文庫…

天皇の逝く国で

天皇の逝く国で作者:ノーマ・フィールド発売日: 1994/02/09メディア: 単行本1991年に英語で出版され、全米図書賞を受賞。1994年に日本語に翻訳された。つまり、今から17年前、題名が示すとおり、元号が変わるころの日本に生じた三つの事件を扱った…

楽屋裏から

走ることについて語るときに僕の語ること作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2007/10/12メディア: 単行本購入: 22人 クリック: 459回この商品を含むブログ (487件) を見るこの題名については、レイモンド・カーヴァー夫人のテス・ギャラガーに許…

千年の祈り

千年の祈り (新潮クレスト・ブックス)作者: イーユンリー,Yiyun Li,篠森ゆりこ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2007/07/01メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 69回この商品を含むブログ (79件) を見るイーユン・リーの短編集『千年の祈り』を読んだ。19…

ナボコフの短編集

ナボコフ短篇全集〈1〉作者: ウラジーミルナボコフ,Vladimir Nabokov,諌早勇一,毛利公美,貝沢哉,若島正,加藤光也,沼野充義出版社/メーカー: 作品社発売日: 2000/12メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 23回この商品を含むブログ (22件) を見る向かいの雑木…

夜の旅その他の旅

夜の旅その他の旅 (異色作家短篇集)作者: チャールズボーモント,Charles Beaumont,小笠原豊樹出版社/メーカー: 早川書房発売日: 2006/07/01メディア: 単行本 クリック: 3回この商品を含むブログ (28件) を見るチャールズ・ボーモントの短編集。 おもに『プレ…

旅の時間

旅の時間 (講談社文芸文庫)作者: 吉田健一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2006/12/09メディア: 文庫 クリック: 11回この商品を含むブログ (23件) を見る吉田健一の短編小説集、『旅の時間』を読みおえた。 この人は、日本人より外国人を書かせたほうがうま…

愛について語るときに我々の語ること

愛について語るときに我々の語ること THE COMPLETE WORKS OF RAYMOND CARVER〈2〉作者: レイモンドカーヴァー,村上春樹出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1990/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (9件) を見る村上春樹全訳の…

最後の瞬間のすごく大きな変化

最後の瞬間のすごく大きな変化 (文春文庫)作者: グレイス・ペイリー,村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/07/08メディア: 文庫 クリック: 17回この商品を含むブログ (43件) を見る現実との距離感がしっくりくる。ちょっと最近いろんなことの距離…

耳をすまして聞いてごらん

耳をすまして聞いてごらん―ブラジル、貧民街(ファベーラ)でシュタイナーの教育学を学んだ日々作者: 小貫大輔出版社/メーカー: ほんの木発売日: 1990/07メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 33回この商品を含むブログ (2件) を見るずっと前に買っておいた本…

頼むから静かにしてくれ

頼むから静かにしてくれ (THE COMPLETE WORKS OF RAYMOND CARVER)作者: レイモンドカーヴァー,Raymond Carver,村上春樹出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1991/02メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 6回この商品を含むブログ (10件) を見る三連休であっ…

ささやかだけれど、役に立つこと

大聖堂 THE COMPLETE WORKS OF RAYMOND CARVER〈3〉作者: レイモンドカーヴァー,村上春樹出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1990/05メディア: 単行本 クリック: 7回この商品を含むブログ (13件) を見る富山にはこの本を持っていった。 「大聖堂」も「ささ…

停電の夜に

停電の夜に (新潮文庫)作者: ジュンパラヒリ,Jhumpa Lahiri,小川高義出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2003/02/28メディア: 文庫購入: 10人 クリック: 142回この商品を含むブログ (182件) を見るジュンヤさんがもう一ヶ月も前にまた旅立っていた。気づかなか…

意味がなければスイングはない

意味がなければスイングはない作者: 村上春樹出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2005/11/25メディア: 単行本購入: 11人 クリック: 194回この商品を含むブログ (197件) を見る自分の孤独をもう少し削ぎおとさなければならない。孤独は肥らせてはならない。三…

ロンドンで本を読む

ロンドンで本を読む作者: 丸谷才一出版社/メーカー: マガジンハウス発売日: 2001/06メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 35回この商品を含むブログ (9件) を見る丸谷才一がイギリスの新聞雑誌で紹介された書評を集めた珍しい本。暇なときにちょくちょく読ん…

クライム・マシン

ジャック・リツチー著『クライム・マシン』という短編推理小説集を読んだ。生涯350篇の短編を書きながら、本になっているのは少ないみたい。少なくとも邦訳は手に入れにくいようだ。あとがきによると、小林信彦さんが編集長をしていたヒッチコックマガジ…

蝶のゆくえ

参った。昨日積もった雪がとけない。北陸の雪は、朝の四時ごろに除雪車がどけてしまう。除雪車が入れない道は、スプリンクラーが作動している。晴れた日に、少なくとも道には、雪が残っていることはあまりない。ただ、めったに晴れないが。 もちろん、このあ…

真夏の死

日曜は晴れた。日差しがワイパーみたいに部屋の中を回っていく。春の予告編のような一日だった。 三島由紀夫の『真夏の死』という短編集を読んだ。驚いたことに収録されている作品のほとんどが二十一、二才の時に書かれている。多彩で飽きさせず、しかも確固…

怪奇な話

吉田健一の短編集『怪奇な話』を読み終った。鉄道旅は読書がすすむ。バイクでも本を持っていくが、週末の旅で読み終わることはまずない。 「酒の精」が秀逸。読んでいるうちに、下戸のわたしまでいい塩梅に酔いがまわる気がする。この人、酒に酔うについては…

悪い夏 花束

いい天気だったんだけれど、朝、ペリカン便の集配所に森下千里の写真集を取りに行き、(この写真集は変わっている。封筒に入っていて、綴じ方が甘い。「バラバラになりそうじゃないか」とか思っていたら、「一枚ずつはがしてお楽しみください」とあった。)…

 『娼婦の部屋 不意の出来事』

夕刻からどんどん天気が回復し、きれいな夕焼けになった。提灯山は夜十時頃まで続くそうだから、間に合うのだけれど、夜の祭りに何かを期待するには、肌寒すぎる。ちょっと汗ばむくらいでないと。 で、吉行淳之介の短編集を読んでいた。閉じ気味の時には正し…

まぶた

私のパソコンはwindows98、Pentium2の333Mhzのくせに、いっちょまえにテレパソだったりする。ちなみにメモリーは200もない。もういい加減、限界だと思う。 それでもインターネットをうろうろするには別に支障はないが、いったん事が起こると…

『真犯人』

『真犯人』パトリシア・コーンウェルを読んだ。推理小説から、どんどん動機が希薄になっていく、的なことを書いたけれど、ケイ・スカーペッタは、ヴァージニア州の検屍局長で、シャーロック・ホームズやエルキュール・ポワロのような「私立探偵」じゃない。…

『旨いものはうまい』 吉田健一

森下千里の最新写真集『Lady-Go』 を、私が買っていないと思われると心外だ。もちろん、予約して手に入れた。どうやら、私の中では、森下千里は伊東ゆかり系のようだ、異論もあろうが。森下千里という人が人気があるのは、性格がいいからだと思う。グラビア…