2012-01-01から1年間の記事一覧

鯰絵とボードレール、キキ・ド・モンパルナス

横須賀でストラスブール美術館展を観た後、横須賀線で鎌倉にまわって、神奈川県立近代美術館で「鯰絵とボードレール」という展覧会。 2008年に亡くなった気谷誠という人のコレクションが、奥さんから寄贈されたので、その追善供養といった意味合いかと思う。…

イチロー電撃移籍

イチローがヤンキースに電撃移籍したのだけれど、それは、マリナーズの本拠地セーフコーフィールドでのヤンキース戦直前まで、ファンもチームメートも誰も知らなかったらしい。 このイチローの流儀が、ファンやチームに対する感謝と敬意の表現であることは充…

「菅元首相は日本を救った」

細野豪志が、東京電力に乗り込んだ菅直人について「日本を救ったと思っている」と証言したことがあきらかになって話題になっている。 原発事故について、官邸がシステムとしてうまく機能しなかったのは事実だと思うし、その官邸のトップとして、菅直人の責任…

ストラスブール美術館展

関東地方のこの夏は天候不順で、きのうの横浜は長袖の人がほとんどだった。私も長袖のシャツにジャケットを重ねていたが、それでもちょっと薄ら寒い。 きょう横須賀美術館に出掛ける気になったのは、その寒さも理由のひとつ。というのは、あの美術館は、「水…

「ピナ・バウシュ 夢の教室」

ジャック&ベティで「ピナ・バウシュ 夢の教室」。あそこの支配人にはもう顔を憶えられているかもな。あの映画館は、椅子の背もたれが破れて中綿が出てるくらいは、とりあえず平気なのがえらい。 番組もよくて、みようかなぁ、どうしようかなぁとぐずぐずし…

「崖っぷちの男」

すごいひさしぶりにレイトショーで映画を観た。「崖っぷちの男」。小林信彦が週刊文春で取り上げていたので、週末にでも観ようかと思っていたのだけれど、TOHOシネマ海老名の上映スケジュールでは、この週末、すでにレイトショーしかないので、じゃあ、…

アラブ・エクスプレス展

まだ月曜日の続き。森美術館のアラブ・エクスプレス展についてもうすこし。 アラブの現代美術というくくりで紹介されている今回の展覧会だったが、全体として、知的ななかにも、どこか諧謔味、皮肉、おかしみを感じさせる作品が多かったように思う。 たとえ…

「グラッフリーター刀牙」

この日はわたしもひとなみに三連休だったので、どうしようかとおもったけど、あのままむざむざ背中をみせるのも悔しい気がして、「グラッフリーター刀牙」にリベンジ。 この映画は、スカイツリーを最初にフィーチャーした映画なのかも。ただし、スカイツリー…

奈良美智展

昨日の続き。 というわけで、急遽、「グラッフリーター刀牙」が観られなくなってしまったので、Bプランに変更。東横線でみなとみらいへ。奈良美智展が開かれている横浜美術館へ。「君や 僕に ちょっと似ている」も、実はこの週末が初日で、なかなかの入りだ…

「クレージーホース・パリ」

14日はTOHOシネマズデーだった。今にして思えば、1日が日曜日なら14日は土曜なので、1日に、「きっとここが帰る場所」と「クレージーホース・パリ」を観て、14日に「ラム・ダイアリー」を観ればよかった。 別に嘆くほどのことじゃないんだけど、…

補遺

二枚舌という記事に‘補遺'を書かなければならないとは思わなかったが、今日も今日、「消費税反対は公認せず」は一般論だったと野田首相が国会答弁した。 小泉純一郎が郵政選挙で用いた手法のまねだが、まったく状況が読めていない。消費税増税は賛成する議員…

二枚舌

小沢新党の旗揚げにあわせるように、野田政権は‘新成長戦略’なるものを発表したが、いまさらいうまでもなく、全編これ官僚の作文である。民主党は‘政治主導’をかかげて政権交代を果たしたはずだったが、‘国家戦略局’に格上げされるはずだった‘国家戦略室’は…

『戦後詩史論』

戦後詩史論 (思潮ライブラリー 名著名詩選復刊)作者: 吉本隆明出版社/メーカー: 思潮社発売日: 2005/05メディア: 単行本 クリック: 4回この商品を含むブログ (6件) を見る 五百万円の持参金付の女房をもらったとて 貧乏人の僕がどうなるものか ピアノを買っ…

バーナード・リーチ展、平澤熊一展

『文学全集を立ちあげる』という本の中で、丸谷才一が‘柳宗悦で一巻にしてもいい’と言っていたのをなんとなく思い出しながら、日本民藝館にバーナード・リーチ展を観にいった。 バーナード・リーチという英国人陶芸家と日本の陶芸との関係は、たとえば、エッ…

「ある家族の会話」、「持ち重りする薔薇の花」

ある家族の会話 (白水Uブックス―海外小説の誘惑)作者: ナタリアギンズブルグ,Natalia Ginzburg,須賀敦子出版社/メーカー: 白水社発売日: 1997/10/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 17回この商品を含むブログ (35件) を見る ナタリア・ギンズブルグの『あ…

「ラム・ダイアリー」もういちど

小林信彦の連載があるので、週刊文春を購読している。 で、そのついでに、いろいろなネタを拾ってしまうわけだが、今回の映画評に、先週見た「ラム・ダイアリー」が取り上げられていて、おすぎ(映画評論家)が、‘何か起こるか期待しながら見たけど肩すかし…

vinyl record と、テレビ離れと、デモについて

なぜか週刊アスキーに大槻ケンヂが連載を持っている。「〜40代で向き合う、人生の宿題〜」というサブタイトルで、毎回、ロートルのロッカーたちをゲストに迎え、来し方行く末、在りし日のことどもなど対談しているわけだが、今回のゲストはJUN SKY …

小沢一郎離党

小沢一郎が離党した。 まぁ、これは、そりゃそうだろっていう話なので、「党に残って再生に・・・」みたいなことよくいえたものだ。もちろん、それを地でいっている鳩山由紀夫という人もいて、もともと影が薄いので批判されないが、この人こそ、はっきりと「…

「きっとここが帰る場所」、「ラムダイアリー」

渋谷へ向かう電車の中で、アントニオ・タブッキの『インド夜想曲』を読み終えた。 わりあいと短いものなので、須賀敦子の訳者あとがきを読み終えてもまだ余裕があった。 ・・・このような言語能力にめぐまれた作家は、ある意味で複数の<人格>をもつことも…

バーン・ジョーンズ、日本画モダン

明日は映画を観る予定なので、今日は美術展。 まず、三菱1号館で「エドワード・バーン・ジョーンズ」。ラファエロ前派のなかでは、ジョン・エヴァレット・ミレイとこの人が双璧だと思うが、わたしが若い頃魅せられたのは、バーン・ジョーンズのリリシズムだ…

増税が決まったとたんに新幹線

整備新幹線着工を認可 北海道・北陸・九州3区間 :日本経済新聞はてなブックマーク - 整備新幹線着工を認可 北海道・北陸・九州3区間 :日本経済新聞 消費税増税が決まったとたんに、整備新幹線着工認可って、どうなんでしょう。 日経webによると、安住…

小沢元代表、党に残って再生に尽力

仕事終わりに携帯で確認すると、 「民主党の反対議員は57人」 とあった。 ところが、それに続いて 「小沢元代表、党に残って再生に尽力」 って、ちょっと「あはは」っていう。 そもそも今度の消費税増税は、自民党と公明党が賛成に合意した時点で、事実上…

付記

パンフレットから。 「ゴーイング・バーティカル」のオーストラリア・プレミアに、現地まで足を運んだディック・ブリュワーは、フィルムを観た後、目に涙を浮かべながら「これはまさにサーフ・ムービーの最高峰だよ」と語ったという。

「GOING VERTICAL」

1967年、サーフィンにショートボード革命をもたらしたのは、オーストラリアのボブ・マクタビッシュか、それとも、カリフォルニアのディック・ブリュワーか? 同じサーフィン誌の編集者という立場で、スティーブ・ペズマンと対談していたサム・ジョージが…

「ポスターガール IVAW 明日へのあゆみ」

自慢にはならないが、日当たりの悪い部屋に住んでいる。 それで、なんとなく寒い気がして、上着を羽おってでかけたが、気温はさほどでもないものの、湿気がthickな感じで、重たい空気をかき分けるようにして歩いていた気がする。 ジャック&ベティのロ…

『コルシア書店の仲間たち』

コルシア書店の仲間たち―須賀敦子コレクション (白水uブックス―エッセイの小径)作者: 須賀敦子出版社/メーカー: 白水社発売日: 2001/10/01メディア: 新書 クリック: 7回この商品を含むブログ (7件) を見る 須賀敦子の『コルシア書店の仲間たち』を読んだ。 …

『ネオンと絵具箱』

ネオンと絵具箱 (ちくま文庫)作者: 大竹伸朗出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/05/01メディア: 文庫 クリック: 3回この商品を含むブログを見る 2006年に東京都現代美術館で大竹伸朗の全景展があったとき、私はまだこの人を知らなかった。残念としか…

以下は、去年の7/31の記事全文

原子力安全・保安院の‘やらせ’(シンポジウムなどで、原発の推進に賛成意見が多くあるかのように演出する)が次々に発覚してきた。 しかし、むしろ考えてみる必要があるのは、国民の生命、財産を脅かしかねない政策の可否にまで、このような‘やらせ’を必要と…

大飯原発再稼働をめぐる騒ぎの何が不毛か

大飯原発の再稼働をめぐって、この国の首相がぶちあげた、みごとなまでの空っぽな演説には多くの人があきれているだろう。 しかし、大飯原発の再稼働をめぐるわーわーした感じを見ていると、「またか」とうんざりする。この感じは、六、七十年代あたりになん…

「ハングリー・ラビット」

ニコラス・ケイジはハリウッドの借金王という意味で、モト冬樹よりずっと藤山寛美に似ている。‘芸のためなら女房も泣かす’というタイプ(と、わたしが思っているだけかもしれない)。 出演する映画の選択を見ていても、観客を楽しませることを第一に考えてい…