2014-01-01から1年間の記事一覧

オルセー美術館展

国立新美術館にオルセー美術館展を観にいった。 書き忘れてるけれど、先週末は、フィオナ・タンだけでなく、国立新美術館で開催中の「バレエ・リュス」の展覧会も観に行った。そのとき、そこでオルセー美術館展もやってるって知ったんだけれど、オルセー美術…

「ジゴロ・イン・ニューヨーク」

この週末、2本映画を観るつもりにしていたけれど、これの後味がよすぎて、もう一つの方はパスしてしまった。 ウディ・アレンが自分で監督しない映画に出るのは14年ぶりだそうで、監督したのは誰かというと、主演のジョン・タトゥーロ。脚本も彼自身なんだ…

「撤退」

世評ではツイッターは何のために存在しているかよくわからないらしいが、マスコミが取り上げない情報が入ってくるメディアは、個人的にはおもにツイッター。 反ヘイトのデモについては、有田芳生をフォローしていなければまったく知らなかったろうし、ガザや…

フィオナ・タン まなざしの詩学

東京都写真美術館に「フィオナ・タン まなざしの詩学」を観にいった。 商業映画そのものをアートと呼ぶのに別に躊躇するつもりはない。美術、音楽、文学、演劇を統合した映画という芸術は、事実上、いま最も盛んなアートだと言える。 そうした商業映画のシス…

『イエス・キリストは実在したのか?』

イエス・キリストは実在したのか?作者: レザーアスラン,Reza Aslan,白須英子出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2014/07/10メディア: 単行本この商品を含むブログ (11件) を見る 私も人並みに三連休だったので、今日は出掛ける予定にしていたのだけれど、この…

『英国の青年』

英国の青年 吉田健一未収録エッセイ (講談社文芸文庫)作者: 吉田健一出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/05/10メディア: 文庫この商品を含むブログ (3件) を見る 吉田健一未収録エッセイのふたつ目。吉田健一のエッセイは、全集にも未収録のものがまだいっ…

桝添都知事もヘイトスピーチ対処へ

前回の最後に書いたが、大阪府警は自白強要で‘超'有名。自分の記事ですけど、リンク貼っておきます。 「殴るぞ」と自白迫る録音公表 てなわけで、すったもんだしている反ヘイトの現場らしいが、先日、大阪の橋下徹市長が市内でのヘイトスピーチ禁止の方針を…

「反ヘイト」とヘイト

今から一ヶ月前に、ニューズウィーク日本版に載った「反ヘイト」の記事について書いた。 ‘在特会の差別的言動が、公共に対する暴行であり、自分たちの社会の価値を侵害していると、多くの人が感じて、自然発生的な「反ヘイトデモ」へと結集していったことを…

「ソーシャル・ネットワーク」

今更ながら、「ソーシャル・ネットワーク」を観た。歯医者の予約があったので遠出しなかった。 歯科の常識ほど変化の激しいものもない。しばらくいかないでいるとついていけない。特に、歯みがきの仕方についてはどんどん言うことが変わって、今回は、歯茎か…

‘強制連行’というファンタジーについて

シンガポールのリー・シェンロン首相が、ワシントン訪問中に、「第2次世界大戦を克服できない限り、また問題を追及する姿勢を改めて、従軍慰安婦問題や侵略の歴史をこれ以上取り上げないようにしない限り、引き続き関係を損なうことになる」と日本とその近…

 「パークランド」

わたくし最近、週刊現代もよく買う。井筒和幸の映画評が面白い。でも、やっぱり現役の映画監督なので、邦画の批評ははばかられるらしく、洋画の紹介が多い。「パークランド」は、このコラムで知って観にいった。 ケネディ暗殺、4日間の真実、みたいなことに…

横尾忠則 肖像図鑑

ブログを書いていて、いつも戸惑うのは、たとえば、土曜日に、美術展を観たとしたら、それは土曜日の記事として書きたい気持ちがあるわけ。日記なんだし、後からふりかえるのにその方が断然便利なんだし。 でも、記事を書いているリアルな日時を記録した方が…

集団的自衛権行使容認を閣議決定

安保条約の成立―吉田外交と天皇外交 (岩波新書)作者: 豊下楢彦出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1996/12/20メディア: 新書購入: 4人 クリック: 52回この商品を含むブログ (12件) を見る 『安保条約の成立 ー吉田外交と天皇外交ー』という豊下楢彦の著書があ…

「華麗なるジャポニズム展」のつづき

‘19世紀後半、日本のあらゆるものにとりかこまれて、独特の熱狂が存在したのがボストンである。そこでは、コレクターたちと学者たちが、失われていくひとつの文化を表していると信じた美術品を保存しようとしていた。’と、図録にある。 そして、その努力を…

「華麗なるジャポニズム展」

世田谷美術館に「ボストン美術館 華麗なるジャポニズム展」を観にいった。 用賀駅から直行バスがでているので、それに乗ったのだけれど、このごろ東京を騒がしている「ゲリラ豪雨」というやつを経験した。今、バスが停車しているあたりは降っていないのに、…

「チャイナタウン」「渇き。」「All you need is kill」

先週、先々週、続けて仕事で週末がつぶれた腹いせに、今日は映画3本をイッキ。仕事より疲れた。 まず「チャイナタウン」ていうのを観た。ロマン・ポランスキー監督、主役のジャック・ニコルソンが鼻を切られるシーンを観たことがある人も多いんじゃないか。…

「米軍慰安婦」報道をうけて、きのうのつづき

昨日の記事を書いた時点では知らなかったが、報道によると、一昨日、6月25日に、朝鮮戦争後、在韓米軍基地近くで、米兵相手に売春をしていた女性たちが、‘「米軍慰安婦」として韓国政府の厳しい管理下に置かれ、人権を侵害されたなどとして、’韓国政府を…

慰安婦というファンタジーについて

河野談話の再検証は、なにはともあれ、この‘慰安婦問題’が、たぶんに政治的であることを、すくなくとも明らかにした。 わたしにいわせれば、‘慰安婦問題’は、なかなか入り組んではいるが、しかし、そもそもファンタジーにはちがいない。 だいたい、1990…

鉄斎展

ヴァロットンを観にいった日に、近くでやっている富岡鉄斎の展覧会ものぞいてみた。 鉄斎はまあまあ大きい名前だったはずだが、ここ何年か、長谷川等伯、俵屋宗達、尾形光琳、円山応挙、長沢蘆雪、曾我蕭白、伊藤若冲、酒井抱一、鈴木其一、狩野芳崖、などな…

アミューあつぎに「ペコロスの母に会いに行く」

本厚木駅の地下工事が終わり、アミューあつぎっていうのができてたんだけれど、そのなかに映画.comシネマっていう映画館ができた。 今もそう言うのかどうか、昔でいえば、‘名画座’みたいな感じで、ロードショーでない映画を格安で上映するらしい。 今週…

ニューズウィークの「反ヘイト」記事

在特会のヘイトスピーチは、はっきり‘暴行’だとわたしは思う。法的に罰せられないのは、その暴行の被害者が誰かが特定できないためだが、わたしは、ヘイトスピーチは個人ではなく、公共に向けた暴行だと思う。 しかし、公共とは何か、という定義は、実は曖昧…

ヴァロットン展

晴れて気持ちのいい週末だったが、土曜日は仕事関係の講習につぶれて調子が狂ってしまった。 日曜日は、三菱一号館の、フェリックス・ヴァロットン展(と、バルテュス最後の写真展)へ。 三菱一号館は、館長の高橋明也という人がたぶん面白い人だね。あんま…

「ミルク」

ミルク [DVD]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2009/10/21メディア: DVD購入: 4人 クリック: 75回この商品を含むブログ (132件) を見る 少し前の映画だけれど、「ミルク」を観た。この年のアカデミー賞では、作品賞を含む8部門にノミネート。ショ…

ラウル・デュフィ

Bunkamuraにデュフィを観にいった。 デュフィほど音楽を感じさせる画家はいない。これはたぶん言い古されている。でも、それは不思議なことじゃないだろうか。耳には静寂しかないのに、目が音楽を観る。 私が今までに観たデュフィの展覧会は、ひと…

「グランド・ブダペスト・ホテル」

ウェス・アンダーソン監督の「グランド・ブダペスト・ホテル」。すばらしい。 「ムーンライズ・キングダム」もよかったけど、今回のはさらによい。 わたしは、映画のクレジットロールを最後まで観るタイプなんだけれど、今回、ホントに席を立たなくてよかっ…

ポルディ・ペッツォーリ美術館展 他

Bunkamuraのポルディ・ペッツォーリ美術館展には、最終日の5月25日に立ち寄った。 個人的には特に惹かれる展示ではなかったが、第二次大戦の戦火で焼失した、「黒の間」や「黄金の間」を撮影した写真や、ヴェネチアガラスの十字架 には、近代の…

「ぼくたちの家族」

石井裕也監督の「ぼくたちの家族」を観た。 前の「舟を編む」の脚本は、監督自身ではなく、渡辺謙作という人だったそうだけど、今回は、石井裕也監督脚本だ。 それで気がついたけど、この人の感覚はオフビートだな。どこか斜に構えている。 笑福亭鶴瓶のポッ…

「インサイド・ルーウィン・デイビス」

コーエン兄弟の新作「インサイド・ルーウィン・デイビス」は、フォークソングの時代を描いた映画と、いちおう言えるのかもしれないが、つまり、ジョーン・バエズの時代、あるいは、ジョーン・バエズがボブ・ディランを見いだすまでの時代なのかもしれないが…

「青天の霹靂」

ウディ・アレンの「ブルー・ジャスミン」に続いて、‘ブルー’つながりなのだけれど、「青天の霹靂」は、「ミッドナイト・イン・パリ」と同じく、タイムスリップものなのだった。しかも、自分の両親に会うという設定は、「異人たちとの夏」も思わせる。風間杜…

「ブルー・ジャスミン」

「ブルー・ジャスミン」と、テネシー・ウィリアムスの「欲望という名の電車」の関連性については、みんな言うみたい。小林信彦も週刊文春に書いていた。 「欲望という名の電車」は大学の講義で習ったと思う。つまり、それはそうとう昔のお話なんだけれど、そ…